This is my essay.








 今日の日経新聞の「プラス1」で、「フライングアラームクロック」の記事(ライター:福光 恵さん)が載っていたが、これは面白かった。半円球の目覚ましの上に、かつての竹とんぼのような、丸い輪の中に三枚の羽がついた飛翔体(ローター)が付いている。そして、アラームをセットした時間が来ると、緊急サイレンが鳴るとともに、その竹とんぼの飛翔体が飛んでいってしまう。ところが、その飛んで行った竹とんぼを探してその時計の元の位置に戻さないと、アラームが止まらないというわけである。アラームを止めるスイッチはないし、電池を外して止めようにも、電池蓋がネジ留めされているという。だからどうしても、竹とんぼを探さなければいけない。寝ぼけ眼もすっ飛んで、部屋中を探し回る羽目となるらしい。これでは、眠気が覚めるわけである。

 ヤフーの通販サイトをみると、「どうしても遅刻できない大切な用事がある時には鬼に金棒の目覚まし時計です!」というのが究極の売り文句である。その通販サイトから、この目覚まし時計の写真を借用させていただくが、お値段は特価4,280円(税込)とのこと。ところがねえ、朝の忙しい時に、いくらなんでも竹とんぼを探し回っていたりすると、それだけで遅刻しそうである。まあしかし、いずれにせよこれは、アイデア賞ものではないだろうか。それに、われわれにとっては、昔なつかしき「竹とんぼ」のようなものを使ってくれているのも良い。もっともわれわれは「竹とんぼ」といってしまうが、今どきの人は、「ドラエモンのタケコプター風の」といわないと、わからないようだ。

 私がなぜこんなに目覚まし時計にこだわるかといえば、勤め始めた頃の失敗があるからである。そもそも私は、枕元で時計がカチカチ音を立てていると、なかなか寝付けない性質なのである。特に昔の時計はうるさかった。今の時計の比ではない。そこで私は、デパートで電気仕掛けの目覚まし時計を見つけて、もっぱらこれを使っていた。当時は枕元に置ける目覚まし時計で、そんなものはデジタル表示の時計だけであった。ところが、デジタル表示の時計は静かでよいが、電気をたくさん使うとみえて、電池ではなく普通の家庭電源つまりプラグをコンセントに繋いで使う時計しかなかった。そこで私はそれを買い、枕元で愛用していたというわけである。

 連日、午前様まで働いてくたくたになっていたある日、翌日どうしても関西方面に出張しなければならない用事ができた。眠たくてぼろぼろになった体で下宿へ午前2時頃に帰って、そのまま目覚まし時計をセットし、ふとんの中に倒れこんだ。翌朝、目覚まし時計のアラームが鳴ったので起きた。いつものように顔を洗い、歯をみがいてテレビのスイッチを付けた。画面の端の時刻表示をふと見ると、あれあれ、私が乗るはずの新幹線もう出る時刻ではないか。びっくりして腕時計を見たら確かにそうだ。慌てて身支度をして飛び出していき、何本か遅れて新幹線に乗ったという事件があった。

 その出張を終えて自宅に帰り、目覚まし時計をチェックしたら、案の定1時間半ほど遅れていた。なぜだろうとつらつら考えてみて、思い当たったのは、停電である。東京電力の支店に問い合わせてみたら、私が寝ているときの明け方に、その地域でそれくらいの時間、停電していたというではないか。やっぱり・・・。私の目覚まし時計の電源はコンセントから引いてきているので、ちょうどその間、止まっていたというわけだ。そして、改めて通電してからは何事もなかったように再び動き出して、その分遅れてアラームが鳴ったということがわかったのである。

 この事件があってから、枕元にこの時計、少し離れたところに電池の時計を置くようにした。しかし、それも少しの間で、結婚してからは、家内が起こしてくれるようになった。これが一番良い目覚ましである。

 ちなみに、一人暮らしをはじめた娘に、「目覚まし時計はどうしているの?」と聞くと、「前日にパン焼き器をセットしておいて、朝はそのおいしいパンの香りで起きるのよ」と言っていた。これはまた、私には思いつかなかった、優雅で実用的な起床方法である。





(注)「フライングアラームクロック」マリン商事(058−247−6977)、希望小売価格5,229円、単三電池4本使用。

 ちなみに、ヤフーの通販では、次のような紹介がされていた。

今まで大音量の目覚まし時計で確実に起きれるって目覚ましがありましたが、どれだけ大音量で鳴っても消してまた二度寝!
しかししかし、このフライングアラームクロックはそんな心配は一切無用!
二度寝なんかもしたくても出来ないんです!!

設定時間になるとアラーム音とともにローターが回転し部屋の中を飛んで行きます。
そして飛んで行ったローターを差し込まなければアラームは鳴り止みません。
だから、簡単にアラームを消せない!
起き上がって逃げ惑うローターを捕まえて差し込まなくてはアラームは鳴り止まないので、絶対に起きれるというか起きるしかないんです!

なんてウザく、傍迷惑な目覚ましなのか…。
でもこれくらいじゃなきゃ起きれない人には必見です。
どうしても遅刻できない大切な用事がある時には鬼に金棒の目覚まし時計です!!





(平成19年3月24日著)
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