悠々人生のエッセイ







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     ふじさわ江の島花火大会
     東京湾大華火祭
     隅田川花火大会



関東の花火大会( 写 真 )は、こちらから。


1.柏・我孫子花火大会

 先週はせっかく初孫ちゃんと立川の幻の花火大会に出かけたのに、大雨に降られた。そこで今週はそのリターン・マッチをしようと、また花火大会に出かけることにした。インターネットの花火カレンダーで8月3日(土)を見たところ、夏の真っ盛りらしく、あちこちで花火大会があるではないか。東京都だけでも、板橋、江戸川区、昭島市、青梅市でやるそうだ。でも、どちらも自宅から行くのに遠そうだ。帰りに初孫ちゃんが寝てしまったときのことを考えると、電車を乗り継いだり、駅から会場までたくさん歩かされるのは困る。

 ほかにないかなぁ・・・と思って東京以外の会場を探していたら、柏・我孫子花火大会in手賀沼というのがあった。千葉県だが、私の家のすぐ近くに駅がある千代田線は、綾瀬の先が常磐線の各駅停車となっていて、それで乗り継ぎなしに開催地の我孫子へ行くことができる。しかも、花火会場は我孫子駅から10分と、今回調べた中では最も近い。それでも全く地縁のない土地なので、念のためiPadのGoogle Mapの地図と現場の映像を見た。そうすると我孫子駅から花火会場に至る途中の道は、通常の住宅地を抜けていくから歩きやすくて子連れでも安全なようだ。そこで、こちらに行くことにした。

 初孫ちゃんと、午後5時過ぎに千代田線の電車に乗った。すると、午後6時前にはもう我孫子駅前のロータリーに立っていた。家から50分もかからない。辺りは、まだ明るい。初孫ちゃんのトイレを済ませた後、花火見物の人の群れに混じって、二人で手を繋いでぞろぞろと歩き始めた。しばらく南下して右に曲がり、セブンイレブンのところを左に曲がって下り坂を更に歩いて行くと、そこがもう手賀沼である。

 その船上から花火を打ち上げるらしい。周囲は花火見物の客ばかりでかなりの人だかりであるが、のんびりしている。間違っても、隅田川花火大会のように混雑で殺気立っているという雰囲気ではない。皆さん、浴衣や普段着で、団扇片手に談笑しながらそぞろ歩いている。東京近郊とはいえ、地方のゆったりした時間が流れているようだ。周囲を観察していると、どうやら、手賀沼を周回する道路に敷物を敷いてそこに座ることが許されているらしい。眼の前の道路が、そうやって家族やカップルでどんどん埋まっていく。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 それではと、我々もファミリー・レストランの前の道路部分の一角に腰を据えることにした。私と初孫ちゃんの二つの小さな折り畳み椅子を広げて置き、そこに並んで仲良く座った。初孫ちゃんは、私の折り畳み椅子に座りたがったが、「私のは制限重量が80キロだけど、あなたの椅子は50キロだから、おじいさんはそちらに座れないんだよ」などと身振り手振りて説明して、ようやく納得してもらった。

 それもそのはずで、私のは登山用品屋で3,500円で買った本格的なものであるのに対して、初孫ちゃんのは前日に100円ショップに立ち寄って購入した105円のいいかげんな椅子だからだ。とはいえ、体重が16キロのこの子には、それで十分である。しかし、価格差35倍なのに、大きさや外見がさほど変わらないのは、いったいどうしたことだろうか。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 さて、二人で並んでその場所に座ったわけであるが、はたしてどこから打ち上げられるのか、どの方向を眺めていれば良いのか、さっぱりわからない。周囲の人に聞いても、「さあ?あの辺じゃないですか?」などというばかりで、埒が明かない。今更移動するのも面倒だし、ここで様子を見ようと思った。

 そうと決めたら、まずは腹ごしらえと、リュックを開けて初孫ちゃんと夕食をいただくことにした。リュックには初孫ちゃんの大好物のバナナとメロンパンが入っているし、それにカルピス・ウォーターがあるから、もうそれだけで大喜びしている。この子は単純で誠によろしい。こういうことになるだろうと思ってお昼に野菜をたくさん食べさせたとママが言っていたので、まあ良いだろう。

 二人で「どこから花火が上がるんだろうね」「あっちかなぁ、それともこっちかなぁ」、「この間のような雨は来ないよね」「お空が明るいから雨雲はないよ」などと言いつつ、パクパク、ムシャムシャ、ゴクゴク。打上げ時刻になるのを待った。私は、せっかく来たのだからと、三脚とカメラをセットした。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 ここで、主催者のHPを紹介しておくと、『3年ぶりの復活でパワーアップ! 6会場から花火が放たれる』と題して「名称を変えて3年ぶりに復活した柏市と我孫子市の花火大会。ことしは手賀沼を囲む従来の3会場に、利根会場、柏の葉会場、下総基地会場の3会場が新たに加わり、計6会場から花火が打ち上げられる。柏第一会場ではキャラクター花火、柏第二会場と我孫子会場では水中花火、利根会場では花火デザインコンテストが開催され、それぞれバラエティに富んだ内容だ。また、手賀沼を囲む3会場は19:00から、利根会場は19:30から、柏の葉会場と下総基地会場は19:45からと打ち上げ開始時間が異なる」とのこと。

 そういえば、我孫子駅に着く前に、北柏駅で多くの浴衣姿の人たちが降りるのを見かけたが、同じ花火大会の違う会場に行く人たちだったというわけだ。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 ようやく待ちに待った花火の打上げが始まった。それが嬉しいことに、私たちの位置からは、3つの花火の打上げを同時に見ることが出来た。左手、正面、右手である。まさに、絶好の場所だ。いずれかが沈黙していても、ほかから打ち上げられるので、間断なく見られる。大きな花火は、ヒューッ・ドンドン・パァーッと上がるし、低いが連続する花火はドンドンドン、パパッパッパーと上がる。

 初孫ちゃんは、怖がるかと思いきや、案に相違して「うわーっ、あれあれ、見てぇー」、「あーっ、あっちもーっ」、「うわぁーっ、凄い凄い」と歓声を上げ続けている。そして極めつけは「おじいさん、花火って面白いねぇ」という。まるで大人の感想の言葉みたいである。はるばるここまで連れてきたおじいさんとしては誠に嬉しいと、こちらも感激した次第である。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 その一方で、初孫ちゃんの相手をしながら、花火の写真を撮らないといけない。花火モードにして撮っていくのだけれども、これは空高く上がる大輪の花火の撮影には適している。露出時間が4秒ほどなので、その間の変化があまりないからだ。

 しかしその長い露出時間が仇となって、さほど高くは上がらないもののいろいろな色に変化して長く光っているような類の花火を撮ると、まるで一面が火の球の海のようになってしまって、どうもうまく撮れない。手動で露出時間を短くして撮ろうとしたが、初孫ちゃんの相手もしなければならないので、それもなかなか難しい。というわけで、花火モードで撮れるものしか撮ることが出来なかった。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 花火の打上げが始まってから、かれこれ1時間近くも経過した。そろそろ帰りの混雑が気になる。花火を見て歓声を上げ続けている初孫ちゃんに「そろそろ帰ろうか」と声をかけた。すると案の定「嫌だ。最後まで見る」という。こうなったら、梃子でも動かないのがこの子の性格だから、「それなら最後まで良いよ」と言ってそのまま見させた。仕方がない。泣く子と地頭には勝てないというわけだ。

 そうこうしているうちに、花火がひときわ派手になった。「もうすぐ終わりだから、こうやって派手になるんだよ」と言って、初孫ちゃんに帰る心の準備をさせる。一般に、この子は現在やっていることに熱中するタイプだから、そこで無理に次の局面に持っていくと、わあわあ泣き出して抵抗するのが常である。だから、こうやって事前に予告したり、心の準備をある程度させると、心が切り替わってちょうど良いのである。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 花火が終わり、皆ゾロゾロと帰り支度を始める。私も手早く荷物を纏めて、初孫ちゃんの手を引いて人の流れに乗った。皆さんは、まだ花火の余韻が残っているようで、楽しく会話している。時刻をみると午後8時半過ぎだ。いつもの初孫ちゃんなら、歯磨きをして寝る前の絵本を読んでもらっている時間である。はて、このまま我孫子駅まで歩いてもらえるだろうかと、いささか心配になる。

 ところが、何と、あの暗い上り坂をちゃんと歩き切ってくれた。我孫子駅前のロータリーにたどり着いたときには、ホッとした。その辺りで初孫ちゃんは安心したのか、それともへばったのか、喉が渇いてお腹も空いたという。それならお安い御用だ。駅前の喫茶店に入り、何とか席を見つけてサンドウィッチと桃のジュースを買って渡すと、あっという間に平らげてしまった。そこでひと休みして、次の難題は電車に乗れるかどうかである。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 我孫子駅の階段が混雑して人の海で一杯になってしまっている。しかし、先ほど見たほどの混雑ではない。初孫ちゃんが群衆に潰されないように抱き上げて、駅の階段を一歩一歩上がっていった。常磐線つまり快速に乗ろうか、それとも各駅停車の千代田線直通に乗ろうか迷うところだが、先に来た電車は千代田線直通だった。

 奇跡的に初孫ちゃんだけが座れた。そこに座った途端、初孫ちゃんは目をつぶってコックリコックリし始める。まだ4歳と8ヶ月だから、無理もない。後で首が痛くならないように支えてあげた。こうして、抱きかかえながら自宅まで帰ったのだが、自宅に着いたとたん、目をパッチリと開けるのだから、もうそれこそ苦笑いするほかない。

柏・我孫子花火大会in手賀沼


 ところが、こうして花火見物の経験をした初孫ちゃんは、早速これを日頃の遊びに取り入れた。それがとんでもなく面白いのである。まず、部屋の真ん中に、積み木で花火の打上げ台の基礎を作り、それにサランラップの芯の筒を置く。これが打上げ台というわけだ。そのうえで部屋の電気を消す。テレビのリモコンを持って、アナウンスをし始める。「皆さん、これから花火大会を始めます。立ち止まらないで下さい。寝ている人は、起き上がらないで下さい」というわけだ。出鱈目だがそれなりに様になっているから可笑しい。

 しかし、それよりびっくりしたのは、花火の物真似だ。打上げ台の筒の方へと両手をもって行き、その下段から始まって両手を下から上へと動かしつつ「ヒューッ、ウーゥーッ」というお得意の高周波音の叫びを長く続けたあと、ひと呼吸おいて、両手を広げて「ドドドーン」と花火を爆発させる。それが上手いの何のって、家中の者が腹を抱えて笑いこけた。これが打上げ花火の大尺玉だ。次いで「ドドドッ、ドドドッ、ドドドッ」と続けるから何かと思ったら、間を置かずに「パパッ、パパッ、パッ」とやっている。ははぁ、これは仕掛け花火だ。芸が細かい。これも家中が大笑い。しかも笑い過ぎて、お腹が痛くなる。

 その痛さが収まらないうちに、また大尺玉の打ち上げの物真似をやった。しかもバーンと花火が弾けるときに細かく千切った色紙まで撒き散らしたので、家中が笑い過ぎてしばし立ち上がれないほどだった。かくして驚くべき才能が突然開花した初孫ちゃん、これを幼稚園の先生にも披露したところ、ビックリされ絶賛されたそうな。

柏・我孫子花火大会in手賀沼( 写 真 )は、こちらから。

(平成25年8月3日著)


2.神宮花火大会

神宮花火大会


 先々週の柏・我孫子花火大会見物で楽しい思いをしたことから、どこか近くで行きやすい花火大会がないかと探していたところ、8月17日(土)に、神宮花火大会があった。我が家から行きやすいだけでなく、神宮球場で見物が出来る。有料の切符をインターネットで申し込み、入手した。その番号を持っていくと、セブンイレブンで入場券を発券してくれる。なるほど、便利になったものだ。待ち遠しい。

神宮花火大会


 いよいよ当日になった。初孫ちゃんの手を繋いで、先々週と同じスタイルで出掛けたのである。先々週とは違ってこちらは地下鉄で20分程度で行けるし、帰りはいざとなったらタクシーに乗ればよいから気楽である。外苑前で降りて神宮まで歩こうとした。ところが、人出がすごい。普通は5分もかからないところを、たどり着くのに15分もかかってしまった。しかも夜になっても気温が34度で蒸し暑く、いわば超熱帯夜状態だ。暑くなければ良いなぁと思いつつ、初孫ちゃんの手を引いて球場に入ると、いやこれは大変な人出だ。すべて空けられている外野席を除いてほとんど全ての席が埋まっているし、グランド内にもたくさんの席が設けられていて、それもお客さんで一杯になっている。

 しかし、それだけではない。ステージが設けられて、そこで歌やらパフォーマンスが行われていた。ほとんどのお客さんは、それが目当てらしい。我々は、そんなアーティストにはさっぱり関心がないので、せっかくのパフォーマンスも騒音としか聞こえない。幼稚園児には、最悪の環境だなと思いつつ、二人で花火が始まるのをひたすら待った。

神宮花火大会


 いよいよ花火が打ち上げられそうだと思った瞬間、第一発が上がって、ビックリした。外野席のすぐ裏から・・・いやいや、時には外野席そのものから、続々と花火が打ち上げられているではないか。我々のいる三塁側の位置のすぐ近くからの打ち上げなので、そのうるさいことといったらない。その反面、花火の迫力は十分だ。ダダッと上がるとすぐ上空でババーンと破裂する。打ち上げては破裂し、その余韻が覚めやらないうちに再び打ち上げられる。上空で破裂するまでの高さは調節してあるようだ。どこそこの会社の提供などとアナウンスがあって花火が上がる。

 いやその激しいこと・・・。外野席そのものから上がったときは、まるで火のついた松明を何本も球場の縁に突き刺しているようだ。迫力があり過ぎる。しかし、この激しい花火大会の花火は、初孫ちゃんの美学には合わなかったようだ。この日以来、家でパフォーマンスする花火には必ず「これは、我孫子の花火ね」というコメントが付くようになったからである。

神宮花火大会


神宮花火大会( 写 真 )は、こちらから。

(平成25年8月17日著)


3.金沢八景花火大会

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  8月の末日、神奈川県金沢区で「第39回金沢まつり花火大会」が開催されるようだと聞き、その近くについ最近まで住んでいた人のことを思い出した。その人に電話をして花火大会の様子を聞くと、あれは良いですよ。砂浜に座って見られますからね、小さい子連れにはお勧めです。ただし、遠いですけれど・・・」とのこと。我が家からどれくらいかかるのだろうと思ってアプリ「乗換案内」で調べると、1時間半ほどで着く。これくらいなら問題ないと、行くことにした。

 初孫ちゃんの手を引きながら千代田線で大手町にて乗換えて三田に行き、そこで都営浅草線快特に乗って泉岳寺経由で京急本線で金沢八景、そこからさらに金沢シーサイドラインというモノレールの二つ目の駅である海の公園南口で降りれば良い。 いろいろな乗り物に乗るから、初孫ちゃんも喜ぶだろう。


第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  さてその当日、天気は心配なさそうだ。余裕をもって1時間前に着くように出発した。いろんな電車ばかりでなく、モノレールにも乗れて、初孫ちゃんは大いに満足していた。よしよし、ここまでは目論見通りだ・・・海の公園南口駅に到着した。どうやらここは、本物の海水浴場らしい。モノレールを降りた途端、プーンと磯の香りがする。教えられた通りに浜辺に向かうと、たくさんの家族連れが思い思いにレジャーシートを広げて座り込んでいる。我々もその中に混じって折り畳み椅子に並んで腰掛けた。

 しかし、ここで思わぬ問題が発生した。肝心の折り畳み椅子が浜辺のさらさらした砂にめり込んでしまって、椅子の役割を果たさないのである。体重の重い私だけかと思ったら、初孫ちゃんですらそうだった。座る位置と座り方を工夫して何とか椅子にとどまったが、最後まで違和感が残った。しかし、レジャーシートを持参していなかったので、止むを得ない。


第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  砂浜の真正面が八景島シーパラダイスで、入り江のようになっている海の向こうに高い塔や青く光ったジェットコースターが見える。なかなか景色が宜しい。とても開放的な気分になる。初孫ちゃんもベラベラと何でも喋ってくるので、やはり気分爽快らしい。ただ、海風がちょっと強い。でも、上衣を羽織るほどではない。二人でそれぞれ好きなパンを食べていると、アナウンスがあった。

 本日はようこそ花火大会にお越しくださいました。現在、強風のため、開催するかどうかを協議中です。すると、浜辺に座っていた人達から一斉に「えええーッ」という悲鳴が上がった。私は7月末の立川花火大会に引き続いて、今季二番目の無駄足かと思ったが、まあ何とかなるだろうと高をくくって、そのまま待った。すると開始5分前になって、開催することになりました」と嬉しいアナウンスがされ、見物人から思わず拍手が上がる。私の横にいる初孫ちゃんも分かったようで、満面の笑みを浮かべてパチパチと手を叩いていた。


第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  午後7時になり、いよいよ花火大会が始まる。突然、海に浮かぶ台船から、シュルシュルと一発の花火が上がった。それを皮切りにズドーン、ヒューヒュー、バババーッと色とりどりの花火という花火が連続で打ち上げられた。それが目の前の海面に反射して、実に美しい。特にスターマインが打ち上げられると、この花火は高さはそうないけれど、赤や青や緑や白熱電球のような様々な色のたくさんの花火が連続して上がって行くので、海面がそれだけの色で次々に染まり、いやもう、その素晴らしいことといったらない。

 初孫ちゃんも感動したようで、スターマインって、良いね。おじいさん、連れて来てくれて、ありがとう」と言ってくれたほどだ。こんな小さな歳の子には、なかなか言えないセリフだと思った。


第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


  見物の傍ら、三脚を立てて写真とビデオを撮った。花火大会の写真で困るのは、次はどんな花火か見当がつかない点である。それが高く上がる尺玉花火だとカメラの画面内には収まり切れない。反対にキャラクターやハートマークなどを表わす創作花火の類は、高さが低すぎて小さく写り、画面の上半分が暗い空となって、間が抜けた感じがする写真になる。もちろん上がっていく花火の上昇速度や線の大きさを見て、それが高い花火かどうかを瞬間的に判断して三脚上のカメラの向きを動かせば追尾できなくはないのだけれど、隣に初孫ちゃんがいて常にちょっかいを出してくる状況の下では無理というものだ。

 その点、この花火大会は親切で、事前に花火のことをアナウンスしてくれる。特にスターマインの場合は非常に助かった。この花火は、ビデオに撮るのが最適である。というのは、スターマインは本体の花火はもちろん美しいが、それだけでなく海面に投影されたように映るその花火の影像も美しい。これも一緒に撮ると素晴らしいシーンとなるから、その画面上の位置決めが大事で、予めカメラをきちんと定位置にセットしておく必要があるからだ。こうやって何本もスターマインのビデオを撮り、家に帰ってきてからも、暇にあかせて初孫ちゃんと観ている。妙なことに二人の共通の趣味を持ったものだ。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


 そうそう、初孫ちゃんの得意技にますます磨きがかかるようになった。事前のアナウンスに「これから、スターマインを始めます」というのが加わり、それからサランラップの打上げ台の筒の下から上へと両手を動かしつつ「ヒューッ、ウーゥーッ」というお得意の高周波音の叫びを続けた後、間を置かずに「パパッ、パパッ、パッ」とやる。しかもそのとき、高く上げた両手をひらひらさせながら舞い落ちるように動かす。初孫ちゃん、誠に芸が細かいのである。

第39回金沢まつり花火大会、横浜市金沢区・海の公園


金沢八景花火大会( 写 真 )は、こちらから。

(平成25年8月31日著)


4.ふじさわ江の島花火大会

ふじさわ江の島花火大会の20号緑芯錦冠先色蜂


 10月19日、江の島で花火大会が開催されるという。時間は午後6時から6時45分までだ。そうすると東京に帰り着くのは午後9時前後となるはずだから、もうすぐ5歳になる初孫ちゃんを連れていくのにはちょうど良い。この時期の花火大会としては、花火カレンダーの全国花火大会による関東の人気ランキングで第1位の「土浦全国花火競技大会」があるが(注)、帰京するのが真夜中になりそうだから、小さい子連れには無理である。

ふじさわ江の島花火大会


 また例の通り電車で行くのも良いが、調べてみると「ぽけかる倶楽部」という旅行会社で丸の内ビル前午前11時50分発、帰京午後9時のツアーがある。これまでの花火大会でやってきたように、花火の帰りに子連れで混んでいる電車に乗るというのもなかなか大変なことなので、ではこちらにしようということで申し込んだ。

 手続きはインターネットで簡単に出来て、支払いもクレジット・カード決済だから手軽である。ツアー・イベント名:<湘南の夜空に煌めく秋の華! 『ふじさわ江ノ島花火大会』バスツアー(江ノ島にて海鮮丼のお食事付)(バス代+花火観覧「桟敷席」チケット代+添乗員)というわけだ。1人分8,980円。


ふじさわ江の島花火大会


 当日になった。丸の内ビルの東京駅と新丸の内ビルに面した角にツアー・バスが到着して、初孫ちゃんと一緒にそれに乗り込んだ。参加者は意外と多くて30人、添乗員は60歳を過ぎたと思うくらいの胡麻塩頭のおじさんである。出発前、初孫ちゃんは立ち上がって盛んに後ろの席のおばさんと話をしている。

 そうこうしているうちに、バスが出発するのでシートベルトをさせるために初孫ちゃんを座らせた。首都高に乗ってまず横浜に向かう。無理やり座らせられてご機嫌斜めだった初孫ちゃんも、途中、レインボー・ブリッジや東京湾の海底トンネルをくぐって行くのに興味を持ち、景色の変化を楽しんでいる。そうこうしているうちに、かつて自分の保育園があった横浜ランドマークタワーを見つけてはしゃいでいる。

 バスはベイブリッジすぐ脇の大黒パーキングエリアに到着した。そこでトイレに行ってもらい、またバスに乗る。横須賀半島根元の山の中を走り抜け、逗子から高速道路を降り、逗子と鎌倉を抜けて午後1時20分に江の島に到着した。

ふじさわ江の島花火大会


 こんな早く着いてどうするのだろうと思っていたら、辻堂の駅の北側にある「テラスモール湘南」というところに連れていかれた。ここで1時間ほど過ごしてくれとのこと。バスから少し歩いてこのショッピングモールに着いたが、途中は風も強くてとても寒かった。気温は15度とのこと。

 われわれにとっては、まるで真夏から晩秋に一足飛びに連れて来られたようだ。これは初孫ちゃんが可哀相だと思って、ショッピングモールのすぐ入口にあるユニクロでサイズ120のジャンパーを買った。いろいろな色調があったが、初孫ちゃんが「青がいい!」というので、真っ青のものを選んだ。着させてみると、まるで青い蓑虫のようで笑えて来たけれど、暖かそうだからまあ良いか。

 迎えに来たバスに再度乗り込み、夕食の会場に向かう。そこは江の島のKKRニュー向洋というのだけれど、それなりのものが出てきた。こんな海鮮丼、果たして初孫ちゃんが食べるのかと思っていたら、玉子だけでなく、魚も2種類を選んで食べ、それから寿し飯も半分近くも食べていたのは意外だった。

ふじさわ江の島花火大会


 午後5時となり、いよいよ花火会場に向かう。バスの駐車場である江の島タクシーから有料観覧席まで歩いて10分の道のりだ。観覧席はどこかと思ったら、何と江の島に繋がる江の島大橋の中ほどにある海岸そのものに並べられたパイプ椅子の列である。そこの指定された番号の席に座り、午後6時の開始を待つ。気になるのは天候だ。

 東京の家内からのメールによれば、あちらではもう雨が降り始めているそうだ。こちらはショッピングモールにいた時にポツポツと雨粒が落ち始めたけれども、少なくとも今は雨が降っていない。でも、空は雲が低く降りてきていて、いつ降り始めてもおかしくない。そんなことになれば、せっかくここまで来た甲斐がないというものだ。

 加えて、いささか心配なことに、風が強くなってきた。それにつれて体感温度も低くなってきたので、初孫ちゃんを膝の上に乗せて抱いた。手持ち無沙汰になった初孫ちゃんが私の三脚やカメラに手を出そうとするので、大好物のメロンパンを食べさせてその手が自然に塞がるようにした。そのうちようやく午後6時となり、藤沢市長の開会宣言で花火大会が始まった。

ふじさわ江の島花火大会


 実は、これがキヤノンEOS−70Dを使った花火の最初の撮影だったのだが、何か気が乗らなくて事前の準備を全然していなかった。そもそも初孫ちゃんの世話があるから、カメラを持って行くのは止めようと思っていたくらいだったが、出発直前になって三脚が入るリュックが準備出来たからカメラを持ってきたという体たらくである。

 それでも、いざ会場に来てみて三脚をセットし、その上にカメラを乗せると、良い写真を撮りたくなった。リモート・レリーズ(Remote Release )、つまりカメラのシャッターボタンを押す代わりに離れた場所からシャッターを切るアクセサリーは買ってあったのだが、使うのは初めてだ。カメラの脇にある適当な穴に差し込んで、ボタンを押すと、シャッターを切ることが出来た。長い間押し続けるのはどうするのかと思って試してみたところ、押したまま上にスライドすれば押しっぱなしになるようだ。

 まあ、これで適当にやるか・・・。当然、カメラ撮影の設定は「B」つまりバルブである。天文現象でなくて花火だから1秒から3秒くらい、シャッターを開いておけばよいだろう。それから、背景に花火の煙が光って入り込むと画面が汚くなるので、露出補正をマイナス2ないし1.5にしよう。これらの操作を片手で初孫ちゃんの相手をしながらもう片方の手でやるのだから、大変だ。

ふじさわ江の島花火大会


 いただいたパンフレットによると、それなりのシナリオがあるらしい。シーン1はプロローグで「しっとりした前半から、これからの盛り上がりを予感させる迫力ある花火に続」くという。花火の打上げが真上だけでなく、斜め上に上がって行くのは斬新で美しい。

 シーン2はメモリアル・ステージということで、花火そのものは普通だが、打ち上げ前にメッセージが入る。たとえば、しゅんくん、ここ江の島で元気に育ってね」(しゅんくんのパパとママより)、きらら、1年半ありがとう! 今年も愛してます」(カンカン)、91歳おめでとう!来年も一緒にいようね」(佑樹、萌華、双葉)、頑張れ藤沢応援しているよ。光の芸術ありがとう」(藤沢湘南台病院)などというものである。これだけを見ると千葉の花火大会とあまり変わらないが、広告宣伝色が全くないのですっきりしている。

 それに続いた音楽花火は、コンピューター制御による、まるで組体操のようなもので、感心して観ていた。初孫ちゃんの方を見ると、うっとりして「いいねぇ」などとつぶやいている。笑ってしまった。

ふじさわ江の島花火大会


 シーン3は、光の造形ということで、芸術玉の数々や色とりどりの花火で様々なキャラクターが登場する。しかし、これがなかなか撮りにくい。シャッター開放が短かければ写らないし、長いと何がなんだかわからなくなる。こういうものを調整して自然にみせる人間の眼というものは、つくづく素晴らしいと思う。

 シーン4は、エビローグというもので、「フィナーレを飾るのは江の島花火名物、金色の大瀑布そして特大2尺玉で大会を締めくくります。壮大なメロディーにのせて、花火の迫力を体で感じてください」とのこと。確かに、最後を飾る一面が金色となった大花火と、大空一杯に、赤、青、緑、白、黄色の下向きの箒の先のような形が広がる「20号緑芯錦冠先色蜂」(冒頭写真)という花火は、素晴らしいものだった。

ふじさわ江の島花火大会


 この大会は、花火の合間にかかっている曲も、湘南らしい雰囲気が出ていてなかなか良かったし、花火そのものも全部で3000発と少ないが、何よりもあの江の島のサイズにぴったりとなるように厳選された感があった。また、観覧席と花火との距離がちょうどよくて、見やすいし、写真も撮りやすい。なるほど、このローカルの花火大会が関東地方で土浦全国花火競技大会に次いで第2の人気をよんでいるだけのことはある。

ふじさわ江の島花火大会


 ところで、いただいたパンフレットの中に書かれていた記事の中で面白いものがあったので、ここに引用しておきたい。第一は、日本の花火と外国の花火の違いである。日本の花火の典型例である芯のある菊の形が出る花火は、球体を作るのだが、真ん中に導火線、その周りに割火薬、その周りに心星、その外側にまた割火薬、その外側にまた星という形をしている。これによって「(1) まん丸く大きく、空に五彩七彩の花を広げる、(2) 花弁ひとつひとつの色が変わる、(3) ひとつの円でなく、花の芯のように二重三重の円を描く」という。

 これに対してアメリカ・ヨーロッパ・オーストリア系の花火は、そもそも筒型が多くて、花火が開く形は、下向きの箒の先のような姿をしているという。なるほど、さきほどの「20号緑芯錦冠先色蜂」は、これかもしれない。

ふじさわ江の島花火大会


 第二は、花火の楽しみ方である。単発で打ち上げられる割り物花火は、(1) 玉の座り〜 美しい花火が開くには発射された玉が空中に上がり上昇力を失ってちょうど落下する瞬間の静止状態で破裂することが理想的で、この瞬間を逃すと丸くなくなって花火の形が崩れてしまう
(2) 割り口〜 玉が座ったところで点火し、星が一斉に飛び散る瞬間のことだが、すべての星が同時かつ均等に飛びちらないといけない
(3)〜 つまり玉の開いたときの形で、どれだけ均等のとれたきれいな球形に見えるかがポイントで、たとえば瞬間的に素早く開く玉は男性的だが、これとは対照的にゆっくりと大きく開く玉は女性的で優雅なおおらかさを感ずる
(4) 星が泳ぐ・抜け星〜 前者は星がいびつだったりその表面の燃焼が均等ではなかったりした等のために軌跡が曲がったり均等ではないこと、後者は星の一部が着火せずにそこだけ抜けてしまうこと
(5) 消え口〜 すべての星が一斉に吹き消すように消えるのが良いとされている
とのこと。

ふじさわ江の島花火大会


 それから、煙火(花火)の形である。「」というのは、芯とその周辺の二重三重構造の球体で、ひとつひとつの星が細長くなっている。「牡丹」というのは、同じく二重三重構造の球体だが、個々の星が細長くなくて丸い。「」は、下向きの箒の先のような形。「大柳」は、柳が大きくなっている。「スターマイン」は、上にたくさんの丸型の花火を何発も連続して打ち上げる。「小割」は、大きく打ち上げるが、それが中くらいの花火に分かれてそのひとつひとつが菊のように開く。「土星(立体型物)」というのは、土星やキャラクターを模ったもの。「椰子」というは、文字通り椰子の木のような形になっている。


ふじさわ江の島花火大会( 写 真 )は、こちらから。


(注)花火カレンダーによる関東の人気花火大会ランキング(平成25年10月9日現在)

第1位 第82回土浦全国花火競技大会(茨城県)
第2位 ふじさわ江の島花火大会(神奈川県)
第3位 燃えよ!商工会青年部!!第12回こうのす花火大会(埼玉県)
第4位 2013 NARITA花火大会in印旛沼 8th(千葉県)
第5位 あついぞ!熊谷 第64回熊谷花火大会(埼玉県)
第6位 第36回 隅田川花火大会(東京都)
第7位 第35回足立の花火(東京都)
第8位 第2回寒川みんなの花火(神奈川県)
第9位 第28回神奈川新聞花火大会(神奈川県)
第10位 納涼花火(神奈川県)


(平成25年10月19日著)


5.東京湾大華火祭


 東京湾大華火祭の打ち上げ数は約1万2000発、前年の人出は約65万人と巨大で、都内有数の規模を誇る。それだけに子連れで安全かつ見やすい席でこれを見物するのはなかなか難しい。

 基本的には晴海会場が一番良いと聞くが、都営地下鉄勝どき駅から徒歩15分というから、子供を抱いて歩くと20分はかかりそうだ。しかもこれほどの人出だと、帰りは殺人的混雑になるのは必至だから、初孫ちゃんを連れていくのは早々に断念した。

第25回東京湾大華火祭


 ということで、東京メトロ豊洲駅からほど近い豊洲会場にて見物したのだが、残念なことに、上がる花火の位置があまりにも遠かった。ただ、この花火大会は、東京湾沿岸域ならどこでも見られるので、あらかじめ見物する場所を十分に研究していけば、それなりに楽しめるかもしれない。

第25回東京湾大華火祭


東京湾大華火祭( 写 真 )は、こちらから。

(平成25年 8月10日著)

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6.隅田川花火大会

 私は上京してから、隅田川花火大会にはこれまで何回か見物に行った。ところが、その時期というのは、7月の末の土曜日という夏の猛暑の時期に当たっている。だから、暑くて仕方がないし、またすごい人混みなので、いつの間にか行かなくなっていた。

 私は3年前に自宅を池之端に移した。家から見える風景は、東京にしては抜群によい。部屋の外に目をやると、東京スカイツリーが正面にあり、眼下には上野公園の緑と上野動物園がある。これはひっとして隅田川花火大会が見えるかもしれないと思って7月の末の土曜日を迎えた。期待してその開始時間を待つ。

 そうすると、見えたのである。しかも、東京スカイツリーの左には第1会場が、右には第2会場が、両方とも見物できた。第1会場の方は、手前のビルが少し邪魔になるが、それでも高く上がった花火は良く見える。これは、あの暑い現場よりはるかに楽だ。空調が利いた部屋の中からこれだけ見物できれば十分だ。

(令和7年 7月26日著)





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