邯鄲の夢エッセイ



葛西臨海公園の曼珠沙華






1.私の家の通信環境は、つい先月まで高速インターネット接続がUCOM光というプロバイダーで、月4752円、これにテレビ用の東京ケーブルテレビが月4104円、そしてケーブルテレビで使っているKDDIのIP電話が約2500円なので、合計すると月約1万1400円ほどであった。つまり、これらの通信環境を維持するのに年13万6800円かかり、これにNHK衛星契約が年2万4770円だから、年間で16万1570円を支払っていることになる。もちろんこのほかに夫婦二人のiPhone携帯電話代があってそれは年間で20万円ほどだから、それに比べればこの通信環境の方は大したことはないので、これまでさほど気にならなかった。ところが、とりわけインターネット接続について、近頃よくチラシが投げ込まれるようになった。それを見ると、次第に高いなあと思うようになった。

 それには、「auひかりご利用可能棟入居者様向け期間限定サービス集中受付のお知らせ」とあって、高速インターネット接続が月2866円になるから、それだけでも月1886円、1年間で2万2632円もの節約となる。この接続サービスを利用してさらにauのスマートフォンを使えば、月1440円分、その通信料から差し引いてもらえるそうだ。家内と二人で2880円だから、1年間で3万4560円となる。両方合わせると年間約6万円の節約だ。これなら、見直す価値はありそうだと思ったのである。

2.ところで、なぜ高速インターネット接続がUCOM光というプロバイダーだったのかというと、話は今から9年前の2005年にさかのぼる。当時、私は住んでいるマンション管理組合の理事長をしていたのであるが、新興の(株)USENという会社がやってきて、「当マンションの地区をインターネット接続サービス地区に加えた。月額回線利用料は、4800円、モデムレンタル料900円、メールサービス300円、IP電話500円という料金を適用するから、機器を置かせてほしい」と言ってきた。回線速度を聞くと、100Mbpsというから、これはその当時の最速である。その頃、私が使っていたADSLの最高速度が10Mbpsだったので、少なくともその何倍かは出るはずだ。このクラスの速度だと当時は1万円が相場だったから、その半額だ。これは思い切った価格設定だと思ったし、事実その通りであった。しかし、仮にそれがマンションまでは光ファイバーであるものの各部屋までは既存の電話線を使うという仕組みの場合だったらかなり速度が落ちると聞いていたから、そうなのかと聞くと、「いやいや当社は既存の電話線の管の中に光ファイバーを通す技術を持っているから、まさにFTTH(Fiber To The Home)、つまり各部屋まで光ファイバーを通します」という。これが決め手となって私は納得し、皆さんに推薦することにした。すると、わずか1ヶ月間に、全戸数の3分の1もの部屋がこの回線を敷設することにしたので驚いたことを覚えている。ただ、敷設した後で回線速度を計測してみると、30Mbpsくらいだったから、公称の3分の1しか出ていなかったが、それでも相当速いと感じたので、十分に満足していた。

 ところが、それから月日が経ち、このUSENという会社が左前になったのかどうかは知らないが、せっかく始めたこの光ファイバー事業(インターネット接続事業)をプロバイダーのソネット(Soーnet)に譲渡した。確かその頃にspaaqsという事業名になり・・・それで結局UCOM光となり、つい最近、その会社が丸紅アクセスソリューションズ株式会社に吸収合併されて確かアルテリアネットワークス社とかいう名前になったらしいが、詳しくは承知しない。ともあれ、個人相手のインターネット接続事業としては相変わらずの形で続いているのだが、料金もサービスも当初のままで、少しも改善されないのである。たとえば、電子メールのボックスの容量は確か当初の20MBのままなのだ。いまどき、一つのメールの添付ファイルサイズが10MBというのも珍しくないのに、それが二つ来るともうボックスが一杯になってしまう。これでは全く使えない。それから、実に困るのが、どういうわけかこのメールアドレス宛に強力なウイルス付きメールが年に数回ほど送られてくることだ。こちらのパソコンではNortonがそのたびに検知して刎ねてくれるから良いものの、こんなメールくらい、システム側で排除することが当たり前だろうと思うのだが、どうもそうではないらしい。それやこれやで若干の不満を抱えていたものの、まあ長年加入していることだからと、鷹揚に構えていた。ところが、最近になって、冒頭に述べたチラシをよくよく読んでみて考え直した。

3.というのも、つい最近、KDDIがこのマンションに光ファイバーの機器を設置したのだが、これを利用したときの価格が、前述のようになんと月2866円なのである。しかもこれには、有名な接続業者であるSo−netの料金も含まれている。加えて、auのスマートフォンを使えばもっと安くなる。これでは、替えた方が良いと思うようになった。調べてみると、マンションまでは光ファイバーだが各部屋までは既存の電話線を使うという仕組みらしいから通信速度は落ちると思われるが、それでもこの価格は魅力的である。それに、ケーブルテレビで使っているIP電話がたまたまKDDIだから、そのまま移行できる。ついでに東京ケーブルテレビも、番組表の送付をしてこなくなった頃からあまり見なくなったので、こちらも止めてしまおうということになり、解約を通告した。すると、衛星放送が入らなくなったので、NHKの契約が衛星から地上波1万3990円となって、こちらもお得になった。

 こうやって乗り換えて約1ヶ月が経過したが、インターネットは誠に快調である。一番驚いたのが回線速度で、これまでの30Mbpsから43Mbpsと、かえって大きく改善したことである。もちろん、同じマンションで何軒が使うかによってこの数字は異なるが、それにしてもこれほど早くなるとは思いもしなかった。もう一つは、同じKDDIのIP電話なのに、東京ケーブルテレビ時代より音質がはるかに良くなったことである。理由はよく分からないが、通信速度が速いのと、機械が新しいからなのかもしれない。これも嬉しい誤算である。

4.ということで、通信環境とNHK契約の見直しで、年間8万2660円もの節約となった。それどころか、加入して45日が経ったからというよくわからない理由で、Soーnetから「KDDI指定代理店限定 So-net 光 (auひかり) 20000円キャッシュバックキャンペーン」とやらで、私の銀行口座に2万円が振り込まれてきた。これとさきほどの額とを合算すると、これから1年間は10万2660円もの節約だ。もっとも、この2万円は2年間分ということだから、9万2660円という方が正しいかもしれない。いずれにせよ、この2年間のインターネット接続料金は月2866円から1666円を差し引いて月1200円となった。以前の4分の1ではないか・・・どうなっているのだろうと怪訝に思うほどの大盤振る舞いだ。やはり独占というのはよくない。競争環境がないとこれほどまでにぼったくりの対象になるのかと改めて思った次第である。これは乗り換えて良かったと考えていたところ、私のマンションにまた新たなチラシが入った。UCOM光からである。それによると、月額基本料金が2800円のところ、それを2年間1990円、2年目以降は1640円とするというのである。「ええっ、月額基本料金が2800円だったのか、すると私が9年間にわたって支払ってきた月4752円以上という金額は一体何だったのか」という悔しい思いである。そうか、実はとっくの昔に償却が終わった設備でしこたま儲けていたというわけか。そういうときに、私のような「脱退者」が出て、しかも私がご丁寧にその理由までこれこれしかじかと詳しく説明してあげたことから、UCOM光としては焦って極端な値下げで対抗してきたものとみえる。でも、まだSoーnetのレベルには追いついていないのはご愛嬌だ。

 これは、携帯電話会社のやり方と同じ構図である。あの世界においても、長年の加入者から高い料金をとる一方で、MNPを使って他社から乗り換えてくる客に大きな額の報奨金を渡すという商売を長く続けていた。最近は総務省の指導で下火になったようだが、iPhone6が発売されたから、いつまた再燃するかもしれないといわれている。これもまた、今回、私がされたように、長年の加入者を犠牲にしつつその上に立って、他社からの乗換え客を優遇するものである。それにしてもこのUCOM光、私が9年間にわたって月4752円以上もの料金を支払ってきたのに、新規顧客は月1640円とは、いやはや馬鹿にされたというか、コケにされたというか、我ながら呆れてものも言えないほどだ。しかし、過ぎたことは今更言っても仕方がないから、かくなる上は、他で取り戻すことにしたい。ちょうどスマートフォンの2年契約がこの11月に切れるので、それを契機にMNPを使ってauかdocomoに乗り換えることにしよう。家内と一緒にすれば効果も倍だろうと、各社の料金プランが出揃ったところで、比較してみようと思っている。auひかりを使っているので、通信料から差し引かれるのが家内と二人で月2880円だから、それだけで1年間で3万4560円の節約となる。これに加えて年末になれば新たなサービス料金が出るかもしれないので、大いに期待したい。

5.ここまで書いたところで、2014年9月9日(日本時間で9月10日)、アップルがiPhone6の発売を発表した。私も家内もiPhone 6 plusにして、それぞれ128GBと16GBにするつもりだ。現在はSoftbankだけど、iPhone自体には問題ないが、オフィスでの電波が弱いのが問題である。電波のインジケーターが4本中、1〜2本しか立たないのだ。都心の真ん中にあって、この有り様である。皇居の方向を向いているからかもしれない。だからMNPを使って転出しようと思う。転出先としてauは、auひかりとのセットで家内と二人で月2880円も割り引かれるのが有利である。しかし、現在使用中のiPhone5を下取りしてくれないので困る。SoftbankのiPhone5を下取りしてくれるのは、docomoだけで、最高4万3200円という思い切った値段だ。私と家内の機種は5と4Sだから、合わせて4万円として・・・それでもauひかりのおかげで通信料から差し引かれる月2880円と比べたら、大したことがない。やはりauにしようかなと傾きかけているところである。


【後日談】

 この直後の9月17日、Softbankも、他社のSIMロックがかかったiPhoneを下取りすると発表した。さて、auはどう出てくるのかな・・・などと思いつつ、同じ17日の真夜中にauのWebページを調べたところ、対抗策が書かれていた。「下取りキャンペーン」として「他社の携帯電話をご利用中のお客さまが、MNPを利用して2014年7月25日以降発売の4G LTE対応のauスマートフォンを新規契約いただいた場合、他社の携帯電話を最大4万3200円相当で下取りするおトクな特典」を付与するそうだ。消費者にとって、これは大歓迎するところだ。それにしてもiPhone5の64GBが3万2400円、iPhone4Sが2万4840円なので合計すると5万7240円だって・・・そんなに・・・これを大盤振る舞いと言わずして何と言おうか・・・他人ごとながら心配するけれど、新興国にでも持っていくのであろうか。それにしても、通信業界というのは妙な世界だ。




(平成26年9月16日著、17日追記)
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