悠々人生・邯鄲の夢エッセイ



三春の滝桜




 三春の滝桜( 写 真 )は、こちらから。


先日、山梨県武川町実相寺の山高神代桜を見に行った。その時これは、福島県三春の滝桜、岐阜県根尾谷の淡墨桜と並ぶ、日本三大桜だと聞いた。そこで、他の二つの桜を一度は見たいものだと思っていたところ、三春の滝桜が例年より10日近く早まって満開だという話を聞き、早速行ってみることにした。

三春駅の桜


東北新幹線で郡山駅まで行き、そこから磐梯東線で二つ先が、滝桜のある三春駅である。実はその一つ前の舞木(もうぎ)駅から既に、構内のプラットホームに満開の染井吉野の桜が咲き誇って、それはまあ贅沢な空間だった。そして三春駅に着くと、こちらは駅を囲うようにして、染井吉野の桜が咲いていた。

三春の滝桜


 三春駅から福島交通のバスに乗って行くと、磐越自動車道を横切り、三春ダムの湖を過ぎて、20分ほどで到着した。多くの自家用車で大混雑をしている駐車場に、バス停車所がある。そこから整備された道を歩いていき、食べ物や飲み物、苗木すらも売られているところを抜けると、小高い丘の麓に出る。その丘の斜面に、「三春の滝桜」が鎮座していた。

三春の滝桜


たまたま快晴だったので、満開の紅枝垂れ桜が青い空に映えて、まあその美しいことといったらない。「滝桜」というだけあってあちこちが盛り上がるように桜の花が満開で、それをしばらく眺めていると、ため息が出るほどだ。これが一本の桜の木であることが信じられない。樹齢は1,000年と言われている。

三春の滝桜


 その滝桜の前には黄色い菜の花が満開で、桜のピンク色と青い空の色とがよく調和して美しい。手前から、その滝桜まで登り坂となっていて、大勢の人々がそこを登っていき、滝桜前の柵まで行って、そこから大きな桜の木の花でいっぱいの枝を下から見上げている。そして、口々に溜め息をついたり、「ええねぇ」などと誉めそやしている。桜の精がいるのであれば、まるで皆、その魔力に酔わされているかのようだ。

三春の滝桜


三春の滝桜


 その柵の周りを廻って半周すると、さらに丘の上に続く階段がある。それを登っていく途中に、振り返れば滝桜を見下ろすという具合である。しかも、その辺りに大きな染井吉野の桜の木があって、これも満開である。そこから滝桜を眺めるのは、また実に良いものである。

三春の滝桜


三春の滝桜


 丘を登りきったら、滝桜についての石碑がいくつかあり、それを眺めて、この桜に感動した人々の足跡を追うことができる。また、その丘の反対側には、田園風景が広がっていて、あちらこちらでは、桜が満開だった。

三春の滝桜の丘の反対側の田園風景


三春の滝桜を称える石碑




 さて、次は岐阜県根尾谷の淡墨桜か・・・しかし、東京からはかなり遠いから、いつになることか。でも、元気なうちに、是非とも見てみたいものだ。



(平成28年4月16日著)
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