悠々人生・邯鄲の夢エッセイ








 KLバードパーク( 写 真 )は、こちらから。


 KL(クアラルンプール)市内の北西部に位置するレイク・ガーデンの中にあるKLバードパークの模様を紹介したい。ここは、谷間の地形を上手に活かして大きなネットで覆い、その中に熱帯の様々な鳥を放し飼いにしている。園内を我が物顔で歩きまわっているのが孔雀で、時々、甲高い大きな声でイヤーン、イヤーンと鳴く。体にはあの立派な模様のある大きな飾り羽を持っているとはいえ、首は驚くほど細い。その細い首で、ガチョウにも負けないほどの大きな声で鳴くから、見かけによらないものだ。たくさんの孔雀の雄がいたので、羽を広げてくれる孔雀の雄を撮ろうとした。ところが、待っても待っても広げてくれない。あちらの方で1羽だけ広げてくれたのを見たから急いで行ったが、残念ながら、すぐに閉じてしまった。

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 白い鸚鵡の仲間だと思うが、巣箱の背後から、覗き見るように身体を斜めに傾けて出し、直ぐに引っ込むという愛嬌のある仕草を繰り返している鳥(キバタン)がいた。とても可愛い。この鳥に限らず、一般に鸚鵡は、見た目が美しいし、大人しいし、人に良く慣れて愛嬌がある。しかも頭が良いから、芸を仕込むこともできる。鸚鵡とともに写真を撮るコーナーがあった。カラフルな鸚鵡が、そこに並んだカップルの腕やら肩やらそして男性の頭にまで何羽も載せられて、いざ撮影となったが、どの鸚鵡もちゃんとカメラの方を向いて、ポーズを決めていた。大したものだ。園内に、鳩のような形をした大きな鳥がいた。しかし鳩にしては大きいし、頭に綺麗な飾りが満載だと思ったら、やはり「ドバト」の一種だった。オウギバトである。そのほか、川に真っ赤なショウジョウトキ(朱鷺の一種)がいて、あまりに見事な赤だったから、しばらく見とれていた。

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 こちらの売り物は、嘴が大きくてオレンジ色をしたホーンビル、つまり「犀鳥」である。これは写真のように本当に見栄えのする鳥で、犀の角のような鶏冠を持っている。パーク中央のエリアには、その名を冠したレストランがある。暑い中、園内を歩きまわって喉が渇いたしお腹が空いたので、そこに立ち寄り、まず飲み物として、ココナッツの実そのものを頼んだ。そうすると、実全体を冷やして天井に穴を開け、そこへストローとスプーンを刺したものが運ばれてきた。この中には、冷えた生のココナッツジュースがある。汗をたっぷりかいた身体には、何よりの水分である。別に生臭くも何ともないから、誰でも飲める味だ。それをストローでいただく。ううむ・・・甘露の味だ。栄養的にも、点滴液に匹敵するほどの栄養素があると言われている。

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 ここまでは誰でも楽しめるが、慣れていない人は、なぜスプーンが付いているのか不思議に思うだろう。実はここからが次の楽しみで、内部の周辺には、数ミリの厚さで、白くて少しコリコリした食感の固形胚乳がある。それをスプーンでこそいで食べるのである。これがまた、素朴な味がして誠に美味しい。ドリアン、マンゴスチン、ドラゴンフルーツ、パパイヤ、マンゴなどどともに、熱帯地方で楽しみな果物の味である・・・鳥の話をするつもりが、いつの間にか、食べるフルーツの話になってしまった。恥ずかしながら、「花より団子」が身に付いてしまっている。

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 ついでに、何を食べたかというと、当地ではごくありふれたメニューであるナシ・ゴレン、つまり焼き飯である。ただし、運ばれてきたプレートには、サテーやチキンが乗っていた。注文するときに、「スパイシーで良いか」と聞かれたので、スパイシーでないものにしてもらった。そうしないと、時々とんでもなく辛いものが出てくるからだ。もっとも、スパイシーでなくすると、物足りない味の料理が出てくるときもあるので、そういう場合は、テーブルに必ず置いてあるチリ・ソースをちょっと掛けて、調整すればよい。こちらで食するときの知恵のようなものだ。ちなみに、チリ・ソースとは、赤い色をした甘辛いソースのことで、街中のレストランに行けば、テーブルの上に必ず置いてある2本の赤い瓶のうちの一つだ。もう一方の瓶はトマト・ケチャップで、こちらも赤い色をしているから間違えやすい。トマト・ケチャップのつもりでチリ・ソースを掛けたりすると、口の中が火の海のようになるから、気を付けないといけない。

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(平成28年9月1日著)
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