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目 次 |
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| 1 | 私のシンガポール観 | ||
| 2 | ジュエル・シティ | ||
| 3 | シンガポール・フライヤー | ||
| 4 | マリーナ・ベイ・サンズ | ||
| 5 | リバー・サファリ | ||
| 6 | 財富の泉 | ||
![]() 1.私のシンガポール観 かつて私は、「国内の別荘より海外のホテル」と題するエッセイで、シンガポールについて、こう評したことがある。 「シンガポールは、独自の発展を遂げている。これは、豪腕の故リー・クアンユー首相が、古き良き時代の建物や街並みを全てリシャッフルして、超近代的な箱庭都市を作り上げてしまったからである。あんな強引なことをしてよいのかと思うほどだった。30年近く前のことだが、あるとき、シンガポールのシャングリラ・ホテルでテレビのニュースを見ていると、ブルドーザーが轟音を立てて古い中国人街の町並みを取り壊している。そのすぐ横では、中国の民族服を着たお婆さんが、まさに壊されつつあるその住宅兼店舗の柱にしがみついて、何か叫んでいる。その画面に流れてきたテロップを読んで、びっくりした。それには、『再開発に頑強に抵抗する老婆』とあったからである。私は、『いくらなんでも、これはひどい。本当に可哀想なことをする。このお婆さん、家族や先祖の思い出のあるこの店と家が壊されるのが忍びなかったのだろう。』と、日本人的にいたく同情をしたものだが、その一方、『早い話、上野から京成電車に乗って成田空港に向かう途中、近代的なスカイライナー電車が走るその両脇には、線路に倒れてくるのではないかと思うくらいにびっしりと木造住宅が立ち並んである。これこそ、アジアを感じさせる混沌とした市街地だ。仮にこれを一掃しようとすれば、これくらいの強権的な権力を行使しないと、こんな近代的な街並みは実現しないのか。日本ではまず絶対に無理だな。』と、日本の現状について、妙に納得してしまった。 ともあれ、出来上がったシンガポールの、まるで豊洲やお台場のような近未来の街並みは、確かに旅行者のみならず、優遇税制も相まって世界の金持ちを引き付けてやまない。その一方、現地に滞在すると、正直なところ、監視付きで住んでいるような居心地の悪さを感じないわけではないが、安全で清潔で、全てにつき合理的で効率的なところは世界一であることは確かだ。その代わり、ペナンやマラッカのような歴史や文化や(良い意味での)アジア的猥雑さを感じさせるところに欠けるというのが私の唯一のマイナスのコメントであるが、一人当たりGDPが世界10位という経済力からすれば(日本は22位)、そんなことは小さな問題かもしれない。いずれにせよ、中心部から30分以内に世界一流のビジネス街、ホテル街、カジノ、熱帯リゾート(セントサ島)が並んでいるという国は、他にまずないだろう。」 2.ジュエル・シティ 日本国内は、お盆休みで帰省ラッシュの中、台風10号の襲来でフェーン現象が起き、全国各地で気温が40度近くに達して暑さに喘いでいるという。そういうとき、私がシンガポールで過ごしたのだけれど、気温は最高で32度ほどだったから、今の日本よりは過ごしやすい。まるで東南アジアに避暑に来たようなものだ。もっとも、直射日光を浴びると、こちらの方でも身にこたえるので、なるべく地下鉄(MRT)や建物内を歩くことにしている。近代的な都会だから、それで十分に思ったところに行ける。
その日は、マリーナ地区のホテルに泊まった。昔からマンダリン・オリエンタルが私の定宿で、そこの朝食のお粥(ポリッジ)が大好きだったのだが、今回は新しいところを開拓しようと、泊まったことがないホテルにした。結論としては、外観は良いしMRTの駅にも近いが、東南アジアのホテルにしては、部屋の設備があまりよくないので、お勧めしない。ただ、朝食は良かった。今時シンガポールに来るなら、マリーナ・ベイ・サンズに泊まるべきだろうが、家内の体調が回復して一緒に来られるようになってからにしよう。 3.シンガポール・フライヤー
それだけに、今回のマリーナ・ベイ・サンズの三本脚タワーの変わった造形がよく目立つ。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの見事な形も、非常に美しい。フライヤーの頂点近くでは、マリーナ・ベイ・サンズの頂点部が、まるで空に浮かぶ南海の孤島のように見える。あちらの高さが200メートルだから、やや見上げる形となる。ところが、距離が近いはずなのに、いささかボケて見える。スマトラ島からの煙害(HAZE)の影響かもしれない。HAZEは、シンガポールとマレーシアの夏季のリスクになりつつある。だから、このフライヤーは、夜景を見た方が綺麗だったかもしれない。 4.マリーナ・ベイ・サンズ マリーナ・ベイ・サンズに行き、タワー1から3までの根元に当たるショッピングモールとレストランを回る。天井が高いし、ブランドショップばかりだから、明らかにカジノ仕様だ。真ん中辺りにそのカジノ(賭場)がある。ただ、私は長年の経験でカジノは体質的に合わないので、今回も入ろうとは思わなかった。こういうものが、近々日本にもできるらしいが、ただでさえパチンコやら多重債務やらで問題が山積しているのに、また新たに似たような社会問題が出てきてしまうのではないかと危惧している。
そろそろ、マリーナ・ベイ・サンズの夜の出し物である「光と水のショー」の時間が近づいてきた。そちらも是非見たいので、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイはまた来ようと思って、再びマリーナ・ベイ・サンズに戻った。会場はプロムナードで、マリーナ・ベイ・サンズを背にし、向い側の高層ビル群を背景に、目の前の池のような運河のようなところが会場だ。適当な所に座る。
5.リバー・サファリ シンガポールで、どこか暑くないところはないかと思って調べたら、まずはセントサ島の水族館があるが、既に行ったことがある。動物園も木陰が多くていいが、これも何回か行っている。少し前からナイト・サファリなるものも始まったが、写真が撮れないので、この案も却下だ。そういうことで、最近完成したばかりのリバー・サファリに行ってみることにした。もちろん、これは初めてだ。 世界の川をテーマにしているらしい。それなら、淡水の水族館に違いない。きらびやかな熱帯魚はいないかもしれないが、水槽だから、涼しいに違いない。パンフレットを見ると、あれあれ、川とは無縁のはずなのに、パンダがいる。これはひょっとして、川というあまりに地味なテーマなので、文字通りの客寄せパンダのつもりで置いているのかもしれない。まあ、それでもいいか、上野以外でパンダが見られるのだからと思って、行くことにした。 順を追っていくと、まず、ジェムス川には、エンゼル・フィッシュがいた。二匹がペアのようにゆっくり浮かんでいる。こんなにのんびりして大丈夫なのかと心配するほどだ。次のミシシッピ川には、いかにも獰猛な亀(Alligator Snapping Turtle )がいた。おお、これは数年前、上野公園不忍池で立て続けに見つかった噛みつき亀そのものだ。アリゲーターという名が付くガーという魚がいて、顔は鰐そのもの、体は古代魚である。そのなかでも、プラチナ・アリゲーター・ガーは、優雅で美しいから、一見の価値がある。コンゴ川には、タイガー・フィッシュという魚がいて、なるほど口に並ぶ歯が恐ろしい。ガンジス川には、小型の鰐、大型の鯰がいる。これでは聖なる川も、落ちたら大変だ。オーストラリアのメアリ川には、アーチァーフィッシュがいて、水鉄砲で昆虫を落とすらしい。見てみたいものだ。
パンダ舎に入ってみると、上野公園のようなガラス越しではなくて、やや遠目だがパンダを直接見下ろすことができる。ガラスに反射しないから写真に撮るには良い。しかも取り放題だ。これでパンダが身体を起こして竹でも食べていてくれれば、それなりに絵になるのだけれども、そうは問屋が卸さない。目の前のカイカイは、だらしなく寝そべっている。しばらく待っても起きてくれそうにもないので、仕方なくそれを撮ってきた。生き物相手は、なかなか上手くいかないものだ。 次に進むと、大きな貯水池に出て、そこを対岸まで渡っていける橋がある。渡り切ると、貯水池を小さく一周する船に乗る。いやまあ、単にそれだけである。対岸は動物園なので、木の間をゆっくり歩くキリンを見たのが一度だけあったが、変わったことといえばそれくらいで、あとは何もない。平和だ。平和過ぎる。心身ともに、無の境地になる。そういう調子で先ほど乗船した桟橋に戻り、ぼんやりとした頭で前を見ると、「アマゾン川探検」というのがある。これは有料だが、歩くのに疲れたから、乗り物に乗ることにして、乗り込んだ。
出発点に戻り、係員のインド人女性に冗談で「動物がよく見えなかったから、もう1回お願い!」と頼んだら、なんとまあ、それが通じたようで「OK」という答えが返ってきて、面白かった。こういう問答ができるのが旅の醍醐味だし、何事も頼んでみるものだ。日本の動物園では、全くダメだろう。そういうことで、もう1回チャレンジしたが、木の上で幸せそうに寝ている「吠え猿(Howler Monkey)」が見えただけだった。それでも係員の配慮に感謝しないといけない。その後は、シルバー・アロワナ、電気鰻、マナティにピラニアまで見て、まあ、こんなものだと納得した。 6.財富の泉
(令和元年8月14日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |

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