私はこの1年で、自分の体重を5キログラム減らした。最初は偶然から始まったものの、途中から意識して節食することとし、特にお昼を蕎麦ていどの粗食にしたから、日中は始終、お腹が空いていた。しかしそれも、もはや慣れた。そういう努力というか、禁欲生活を続けたおかげで、去年は履くのにきつかったズボンが、今年はスイッと入る。それどころか腰からずり落ちそうである。お風呂の鏡に映った自分の姿も、前は肉がタポタポっとしていて自分の肺の形が見えなかったのに、最近はあばら骨がちらほら見えてきた。電子メールで母に写真を送ると「あんた、顔が小さくなったね」と言われる始末。その反面、週末のテニスのときの動作がやや改善して、これはうれしかった。こんなところが、今回の減量の効果だな、と思っていた。 しかし、先日受けた今年の健康診断の結果が来て、驚いてしまった。このわずか5キロの減量のおかげで、昨年、問題とされていた項目がすべて解決してしまったのである。総コレステロールなどは許容範囲を超えてしまっていたというのに、今年はそれが半減していた。もっとすごいのは肝臓の機能を示すGPTで、110というひどい水準だったのに、これが何と30ということで、三分の一となっている。まさに、減りに減ったりというわけである。これは、うれしい誤算であった。
このほか、右目の視力も、差分0.2だけ改善した。しかし、これはあまり褒められたことではない。視力表を読んでいて見えなくなってきたから、あてずっぽうで言ってみたら、たまたま当たっただけのことである。そんな話を家内にしたところ、視力がいつもいつも2.0という人を知っているという。別に眼がいいわけではない。あの視力表をすべて覚えているというだけのことらしい。 そういえば、アメリカの映画「スペース・カウボーイ」で、歳をとったが急に宇宙に飛ぶこととなった昔の宇宙飛行士候補が、NASAの体力検査で、同じようなズルをしていたと思い出して、可笑しかった。上には上がいるものだが、昔の視力検査は紙に書いてあったからこんなことができたのではないか。最近のものは双眼鏡を覗き込むような装置なので、紙の時代の順序に並んでいるのかどうかは保証の限りではない。もはやその手は使えないのではないだろうか。誰か専門家に聞いてみたいものである。 (平成16年11月18日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |
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