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目 次 |
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| 1 | そろそろ年貢の納め時かな | ||
| 2 | 夜間頻尿とふらつきが出る | ||
| 3 | 使い続けるデメリット多く | ||
| 4 | 高血圧症の基準がおかしい | ||
| 5 | こんな薬もう止めてしまえ | ||
| 6 | 【後日談】別種類の薬試す | ||
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1.そろそろ年貢の納め時かな
私は、子供の時分に大病したときは別として、風邪を引いた場合は除き、何の薬も飲まないで昨年まで過ごしてきた。ところが毎年の健康診断で、ここ2年ほど、それまで120台で推移してきた血圧の上(収縮期血圧)が150を超えるようになった。そこで昨年末頃に、健康診断後の医者との話合いで、「そろそろ血圧の薬を飲んだらどうですか」ということになり、私も「まあ年貢の納め時かな」という気がしてこれを受け入れた。 そこで医者が処方してくれたのが、「アムロジピン」というカルシウム拮抗薬である。高血圧の薬としては広く知られて最も普及しているもので、その最小の2.5mgをもらった。これは、一日1回飲む舌下錠で、水がなくとも飲めるから使いやすい。 これを飲むと、血圧の上(収縮期血圧)が150から132へ、下(拡張期血圧)が98から78へと激減した。確かに効果がある。血管の壁はカルシウムイオンを取り込んで収縮するのだそうだが、この薬の作用機序は、そのカルシウムイオンの取込みを阻害することにより、血管(動脈)の収縮を妨げるようなのである。 2.夜間頻尿とふらつきが出る それで、しばらくは安泰だと思っていたが、今から振り返ると、この薬を飲みだした頃から、身体に変調が生じてきた。一つは、夜中に頻尿が起こる。寝ているのに2回ほど起きてトイレに行かなければならないのである。これがあるので、眠りが妨げられて熟睡できない。年齢のせいかなと思っていた。 二つ目は、特に階段を降りる時にふらつくのである。とりわけ、地下鉄の階段を下る時が危ない。降りて行って下の階に近づいた時に階段の位置がよく分からなくなって、この1年で3回も転んでしまった。これは、危なくて仕方がない。 いずれも、なぜだろうと不審に思っていたが、最近ようやく、その理由に思い当たった。これらは、アムロジピンの副作用のようなのである。典型的な副作用として「夜間頻尿」と「ふらつき」が載っていた。そうか、これなのだ。ならば、この薬を使い続けるメリットと、止めてしまうデメリットを比較しなければならない。 3.使い続けるとデメリット多く アムロジピンを使い続けるメリットは、高血圧を薬で抑えて脳出血を防ぐということだが、最近は脳卒中のうち脳出血の割合が2割程度と、昔に比べて激減した。栄養状態の改善によるものだろう。その反面、脳梗塞が8割にもなっている。血圧を抑えると、脳に血が回らなくなり、脳梗塞の危険が増す。こちらの方が危ない。加えて、15,000人を対象にした調査だと、高血圧の薬を飲んでいるグループは、飲んでないグループと比較して、認知症の数が3倍にもなったという。これも危ない。 それに、私は頭を使う商売なのだが、アムロジピンを飲み始めてから、徹底的に細部まで頭を使うと、なんだか面倒に感じることも多くなった。気のせいかテニスも、早いボールに目が追いつくのが難しくなった。頭の隅々に血液が届いてない気がする。それやこれやで、要は、アムロジピンの摂取は、デメリットばかりなのである。
4.高血圧症の基準がおかしい こんな問題の多い薬を飲まされている背景として、そもそも高血圧症の基準がおかしいのではないかと考えるに至った。歴史を振り返ると、1960年代は、「年齢+90以下」の血圧であれば問題なしとされていたので、これを適用すると、現在の私の場合は165 mmHg以下のはずである。次いで1987年になり、旧厚生省が日本で初めて高血圧の基準値を設定し、180/100mmHg以上と決められた。ところが、年を経過するにつれてこの基準が下げられていき、 1990年には160/90mmHgに下がり、2024年現在、高血圧と診断する基準は140/90mmHg以上(診察室高血圧の場合)とされている。さらに130/80mmHg以上の場合にも高値血圧と扱われている。 しかし、年齢を経れば血管が固くなり、それだけ血圧が上がるのが当然なのに、この基準ではそれが全く考慮されていない。だから、75歳の私に、ただ血圧が150だからといって、機械的にアムロジピンを投与するのは、やりすぎではないのかと思うようになった。 そうこうしているうちに、「2024年4月から特定検診における高血圧の基準値が、現在の140/90mmHg以上から160/100mmHgへ変更となる」と聞いた。それ見たことかと思ったが、これは治療のガイドラインを変えるものではないそうだ。うがった見方をすると、これが治療基準の変更ならば高血圧の患者数が激減するはずだから、薬会社や医師会が安易に受け入れるはずがない。それはともかく、これは私の決断を後押しすることになった。
5.こんな薬は止めてしまえ つまり、もうアムロジピンを止めることにした。というわけで、6月から十日間、試しに薬なしの生活をして、血圧を測ってみた。すると、下記の通り、アムロジピンを止める直前は、128/74mmHgだった血圧が、24時間後は138/92mmHgと上がり、36時間後は146/93mmHgと、差分20mmHgも跳ね上がった。それからはほぼこの調子で、収縮期血圧は150弱、拡張期血圧100弱を続けている。でも、160/100mmHgの範囲に十分収まっている。 薬を止めてから、体調はすこぶる良い。何よりも夜中に起きてトイレに行くことは全くなくなったから、熟睡出来る。昼寝も必要なくなった。地下鉄の階段を降りる際も足元がふらつかなくなった。本を読んだり書き物をしても、頭がスッキリとしている。この調子で行こう。医者の言うことを鵜呑みにしてはいけない。引き続き減塩に務めつつ、体重を維持し、断酒を続けて行くつもりだ。自分の体なのだから、大切にしたい。 5月31日朝128/74(この計測直後から薬を止めた) 6月01日朝138/92、 夜146/93 6月02日朝149/97、 夜144/91 6月03日朝146/101、夜140/93 6月04日朝149/109、夜152/100 6月05日朝142/98、 夜137/95 6月06日朝143/91、 夜118/79 6月07日朝133/98、 夜142/93 6月08日朝146/100、夜133/83 6月09日朝151/96、 夜149/98 6.【後日談】別種類の薬を試す このようにして、アムロジピンを中止してからちょうど3ヵ月後に、私はラクナ梗塞に見舞われた。これは、軽い脳梗塞の一種である。私はほかに、高脂血症の気味も健康診断で指摘されていたので、ラクナ梗塞とアムロジピン中止との因果関係は不明であるが、関係が一切ないとは言い切れない。そこで、高血圧の薬を再開することにした。ただし、アムロジピンとは作用機序が異なる薬ということで、医師と相談して、「エンレスト」という薬にした。両者を比較すると、次の通りである。 (1)アムロジピンの作用機序 アムロジピンはカルシウム(Ca)拮抗薬という種類の薬で、血管の筋肉(平滑筋)にある「カルシウムチャネル」をブロックする。その結果、 細胞内へのカルシウムイオンの流入が減少し、血管の筋肉が緩んで血管が拡張する。こうして血管が広がることで、末梢血管抵抗(血管の締め付け)が減少し、血圧が下がる。 (2)エンレストの作用機序 エンレストは、ARNIという新しいタイプの薬で、2つの有効成分の複合体である。つまり体内で「バルサルタン」と「サクビトリル」とに分かれて作用する。 @ バルサルタン(アンジオテンシン受容体拮抗作用)AT1受容体拮抗薬(ARB)と同じ作用機序を持つ。すなわち、昇圧作用を持つホルモン「アンジオテンシンII」の受容体(AT1受容体)を阻害する。その結果、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の働きを抑制し、血管収縮と水分貯留を抑える。 A サクビトリル(ネプリライシン阻害作用)は、体内で分解され、血管拡張・利尿作用を持つ「ナトリウム利尿ペプチド(NP)」を分解する酵素「ネプリライシン(NEP)」の働きを阻害する。その結果、NPが体内で長く作用し、血管拡張、利尿促進、心臓保護といった効果をもたらす。 (3)このように、アムロジピンが「血管のカルシウムの出入り」という単一の仕組みに作用するのに対し、エンレストは「RAAS」と「NP系」という体内の二つの主要なホルモン系に同時に作用することで、血圧を下げるだけでなく、心臓や腎臓を保護する作用を合わせ持っている点が大きく異なる。 というわけで、(2)エンレストにしたが、すこぶる調子がよい。夜間頻尿に悩まされることはなくなったから、ぐっすり良く眠ることができる。 それから、ほかに高脂血症治療薬としてエゼチニブとロスバスタチン、脳梗塞予防に血液をさらさらにする薬としてバイアスピリン(実際にはこれと同時に飲むべき胃腸薬のタケキャブを合わせた「キャブピリン」)を飲んでいる。 ちなみに、血圧の方は、平均が121と76で、安定している。この調子でしばらく過ごせそうだ。でも、やっぱり薬漬けになってしまった。まあ、年相応で仕方がないか・・・。 (令和6年6月12日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |

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