This is my essay.








  目 次
はるかな宇宙の旅
隔世の感
シミュレーション


1.はるかな宇宙の旅

 大きな銀河が漆黒の宇宙に浮かんでいる。それはとても美しい渦巻き状をしていて、腕を四方八方に伸ばしながら、ゆっくりと時計回りに回転している。直径は、おそらく10万光年というところだろうか。私はそれをほぼ直角の遠くの位置から見下ろしていたと思ったら、今度は猛烈なスピードで銀河に近づいていった。そして、星々が密集して白く輝く中心部を避けながら、銀河の中に突入していったのである。

 その銀河のやや周辺部から、銀河の中心の方向をみると、たくさんの星の塊りが白く大きく輝いて、まぶしいほどである。そして、ちょうどお皿を横にして眺めるのと同じように、その白く輝く星々の塊りからは、横一列の星の集まりが両側に伸びている。まるで、メキシコの帽子のソンブレロのようだ。

 その位置から、銀河の周囲に沿って動いていくと、左から一個の惑星が忽然と現れた。それが相当の早さで進んでいって銀河中心の白い塊りと重なりかけた。すると、その白い塊りの中にその星の黒い影がゆっくりと動いて横切っていったのである。宇宙の荘厳な眺めである。

 次に私は、その星に近づいていった。そうするとそれは、水と緑があふれる大陸から成る、地球型惑星だったのである。黒い宇宙の中で、ひとり蒼く輝くその星は、ゆったりと自転している。表面に海と大陸のあることがわかる。あたかも、生きているのは自分だけだと言いたげな様子である。とそのとき、左上から右下に向けて、さっと彗星が通り過ぎた。全くもって、神秘的な光景である。私は、しばし呆然とする思いにとらわれた。


2.隔世の感

 実はこれは、スクリーン・セイバーを動かしたときの描写なのである。画面には、地球型惑星のほか、土星型惑星や宇宙船に人口衛星らしきものまで出てくるという凝りようで、その出来の良さにはまったくもって驚かされる。出てくる星の数は、最大2万個まで設定でき、突然現れる彗星の数も調整できる。このようないわば銀河のシミュレーションは、一昔前は大型コンピューターを必要とし、たいへんな手間をかけて開発したソフトで動かしたものである。しかしこのスクリーン・セイバーは、私のノート・パソコンで十分に動くし、しかもインターネットで入手したフリー・ソフトなのである。いい時代になったものだ。まるで隔世の感がある。

3.シミュレーション

 ところで、現在の人類は、この壮大な宇宙の中で、せいぜい地球の衛星である月までしか行けないという、か弱い存在である。私が生きている間、火星に行くかどうかというところである。先日、ブッシュ大統領は火星旅行計画を発表したが、とてつもない資金に加えて往復に2年以上もかかるし、まず命の保障はないだろうから、実現は難しいと思う。それでも、勇気ある宇宙飛行士が出てこないかと、期待している。

 そういう点からすると、このスクリーン・セイバーは、地球から火星やら太陽系などという小さなスケールのものではない。私は、宇宙のはるかかなたからこの銀河を眺め、しかもあっという間にそれを横切ったりできるのである。速度なる概念は役に立たないかもしれないが、さしずめ秒速1万光年くらいの速さなのである。アインシュタインの相対性理論によれば、人類が生きて光速を超えるようなことはできない。つまり、現在の人類の科学知識では、そもそもこのような宇宙の旅はどうみても不可能なのである。それだけに、シミュレーションとはいえ、こういうソフトで深宇宙を自由自在に超光速旅行ができるのは、何というか、すばらしいことではないだろうか。作者に深く感謝したい。

 ところでこのソフト、できれば恒星たちに色を付けてもらい、その他あちこちに色とりどりの星雲をたくさん散りばめていただければ、もっと楽しくなるのだが・・・。もっとも、そのためにはまず、私のパソコンを買い換えないといけないかも。


(参 考)スクリーンセーバー「Galaxy DX」

 【ソフト名】"Galaxy DX"スクリーンセーバー 1.01 gdx101s.exe
 【著作権者】川上 裕 氏 (yut-kawa@intio.or.jp)
 【HomePage】http://www.intio.or.jp/y-kawa/


(平成16年 2月 1日著)
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