香港が1997年7月に中国本土へ復帰直後、私は所用があって彼の地を訪ねた。そのときは何しろ復帰したばかりで、香港の街中には、その感動からまだ覚めやらぬ興奮感とともに、一国二制度といってもこれからどうなるのだろうという不安感とがない交ぜになって、張り詰めた雰囲気がただよっていた。

 しかし、その後の展開をみると、いかにも中国的で、やはりというか当然というか、香港人の不安は半ば当たり、半ば外れたように思われる。しかし幸いにも現在は、中国自体が経済発展の実利を追及するような時代になってきた。したがって、掌中の宝石のような香港を、あからさまな抑圧介入で無に帰してしまうようなことは、今後ともさすがに起こらないものと思われるが、いかがであろうか。








(C) Yama san since 1997 All rights reserved