The Nostalgic World presented by Mrs. Ishii

石井美千子 作品集

第6  井戸端

 井戸のポンプのそばでお母さんが洗濯板を持ち出して洗い物をしていて、その横では女の子があやとりをしている。お母さんは何かしら生活に疲れているようだ。
 私には、この場面の小道具がなつかしい。まずポンプ、いまやよほど古い家にいかないとお目にかからない。次に洗濯桶と板、冬の寒いときなどは、母は手にあかぎれを作っていたものだ。そのうち、昭和40年代に入る頃には電気洗濯機ができて洗濯板などは亡くなったが、そういえば洗ったあとの濡れた洗濯物を絞るハンドルもなつかしい。最後は、あやとりである。私は不器用で、一本の糸からなぜ「はしご」とか「かに」ができるのか不思議だった。



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