7月に入って2週目の日曜日、かねて計画していたとおり、上高地に出かけた。前夜は白骨温泉の斉藤旅館に泊まったが、さすがに湯元の旅館だけあって、食事も十分で設備もよく、露天風呂を堪能した。白いお湯は、要するに硫黄泉ということで、確かに湯上がりの体がいささかそのような匂いを放っていた。

 快晴となったその翌日、大正池から自然研究路に入っていった。上高地はこれで4回目となるが、今回が最も天気がよくて、歩いていると、いやもう、たいそう気持ちがよかった。まず、大正池の水の青い色がすぱらしい。そこに焼岳が枯れ木を前にしてそそり立ち、梓川のせせらぎの音が微かに聞こえてくる。湖畔でぼんやり立っていると、カモが近づいてきて、餌をねだるように頭を傾げてくる。野生の鳥には、やらない方がよいと、がまんしていると、あきらめて泳いで行ってしまった。

 さらに自然研究路をさかのぼっていくと、まず湿地帯があり、緑が目に染みる。その木々の間から梓川が姿を見せ、かなりの急流である。川水が青くて実に美しい。さらに行くと、帝国ホテルの前を過ぎ、それからさらに進むと、河童橋が見えた。その吊橋の中ほどから北に見たのが、この写真の穂高連峰である。南を振り返ってみれば、川が流れていく方向に焼岳がそびえ立っていた。

    (平成19年7月8日記)




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焼岳と大正池 焼岳の枯れ木 穂高連峰と梓川

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