悠々人生のエッセイ

デジタル一眼E−P1その後






 デジタル一眼カメラであるオリンパスペンE−P1を買ってから4ヶ月が経過した。この間、文字通り、写真を撮りまくってきたのは事実で、たとえば、11月の末に京都へ2日半の紅葉見物の旅行に行ったときには、数にして1000枚以上、容量にして7ギガバイトもの写真を撮ってきた。そういう調子でこれまでにE−P1で撮った写真は数しれず、おかげでパソコンのハードディスクがたちまち満杯となってしまった。いまは、外付けハードディスクでしのいでいるが、それも近々買い足さないといけないという状況である。

 バックアップを万全なものとするため、できれば保存するメディアをハードディスクだけでなく、ディスクにもしたいところである。しかし、DVDは1枚の容量が5ギガバイトもないことから使いづらいし、ブルーレイは25ギガバイトあるというけれど、それでもこの調子で写真がたまっていくと、1年で20枚くらい使わなければならない計算となる。昔のフィルム時代だと、フィルム代や現像代という制約があったので、おいそれとつまらない写真を撮るようなことは出来なかったのだが、その点デジタル・カメラはそういう制約がないので、ついつい何でも気軽に撮ってしまう。連写機能とかブラケット撮影機能がまたそれに拍車をかける。その結果、膨大な数の写真が残る。まったくもって、便利なような、それでいて無駄の塊のような時代になってしまった。

 この間のE−P1を巡る話としては、三つある。その第一は、超望遠レンズ「パナソニック LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-F5.6/MEGA O.I.S.[H-FS045200]」を購入したことである。メーカーのパナソニックのHPによれば、「人物スナップからスポーツ撮影までの幅広い撮影シーンに対応できます。光学系にEDガラス3枚を含む13群16枚構成の6成分ズームを採用。諸収差をバランス良く補正し、高画質を実現しています。また、独自のインナーフォーカシング方式により、高速コントラストAFへの対応を可能にしています。絞り形式には、7枚からなる虹彩円形絞りを採用。美しいボケ味の描写が得られる高画質望遠ズームです。90〜400mm(35mm判換算)の幅広いズーム域で、光学式手ブレ補正を搭載しながらコンパクトサイズを実現しました」とある。

 オリンパスからすれば他社製なのだが、同じマイクロフォーサーズ・レンズが使えるというわけで、これをE−P1に付けてみたら、何の問題もなく動いている。ただし、パナソニック製のGシリーズのカメラには、カメラ本体に手ぶれ補正機能がない代わりに、この望遠レンズ自体に手ぶれ補正機構を付けてある。したがって、これをオリンパス社のE−P1に付けると、こちらには手ぶれ補正機構があるから、バッティングするのではないかが問題となる。そういうことをつい最近、ものの本で読んだことから、望遠レンズ側の手ぶれ補正機構スイッチを切った。しかし、それまでこのスイッチを入れて撮っていた頃と、何にも変わらない気がする。もう少し、実地に試してみる必要があるが、あるいは両方の手ぶれ補正機構が競合せずに共同して働いてくれているのか、よくわからない。

建設中の東京スカイ・ツリー


 さて、この超望遠レンズの性能であるが、一言でいえば、「すごい!」 たとえば、先日、建設中の東京スカイ・ツリーを見に行った。自宅から意外に近くて、車でわずか10数分のところの言問橋に降り立ったところ、目の前に聳え立っていたので、びっくりした。すでに230メートルに達したようだが、完成時には634メートルになるというから、まだ3分の1を過ぎたばかりである。それでも、先端部分は相当小さく見える。それを、この望遠レンズで覗くと、画面一杯に見え、折からの逆光にもかかわらず、ちゃんと撮ることができた。

建設中の東京スカイ・ツリー先端部分


 また別の例であるが、六義園の紅葉を撮りに行ったときのこと、池の向こう岸にある松の木に、雪吊りが仕掛けてあった。それを焦点距離が最小の45mm、中間の100mm、最大の200mmの三種類で撮ってくらべてみた写真が次のものである。45mmのときは豆粒のようになっている人間の顔が、最大の200mm(35mmフィルム換算で400mmに相当)のときには、人の顔まで区別出来る。いかに拡大できているかがわかるであろう。

望遠レンズの焦点距離45mm

望遠レンズの焦点距離100mm

望遠レンズの焦点距離200mm


 第二は、あちこちに写真を撮りに行っているうちに、ふと気がついてみると、E−P1の頭にある黒いプラスチック片が、いつの間にか取れてなくなっていた。これは、本来は外付けフラッシユを装着する受け皿である。普段はフラッシュを使わないことから、その部分にほこりなどが入るのを防ぐために、ちょっと付けておくというものである。これがなくなってみると、その部分のソケット内部が剥き出しになる。それでは具合が悪かろうと思って、ビック・カメラに行き、店員さんにその部品がほしいというと、こういう答えであった。

 「どういうわけか、どのメーカーも、それぞれのカメラの純正部品としてあれだけを売るということは、していないんですよね。でも、あれがないと、ほこりが入って来たりして、困るというお客さんが多いんです。そういうとき、私は、ニコンの部品(アクセサリーシューカバー Nikon BS-1)をお勧めしているんです。面白いことにニコンだけはこれを部品として販売していて、しかも都合のいいことに、たいていのカメラのサイズに合うときている。ただし、この部品をひっくり返すと、Nikonと書かれていますよ。しかし、表には、出て来ませんから、好都合なんです。ただ、ひとつ問題があって、フラッシュ内蔵の機種だと、あれを付けていると、フラッシュが外付けされているとカメラが誤解して、諸元に狂いがでてきてしまうんです。でも、E−P1には、フラッシュが内蔵されていないから、たぶん、大丈夫でしょう」といって、それを持ってきてくれた。さて、頭に付けると、何とまあ、サイズもぴったり、色も同じく黒で違和感なく、うれしいことに、撮影にも影響がなかった。加えて、一個160円という、涙が出そうになるくらい良心的な値段であった。

 第三は、11月5日になって、オリンパスは、E−P1の兄弟分のE−P2を12月に発売すると発表したことである。ところがこのE−P2、ただものではなくて、E−P1にはなかった、ライブ・ビューのファインダーが別売されるという。「新たに背面上部にアクセサリーポートを搭載。新開発となる視野率100%・144万ドットの高精細EVF「VF-2」を装着することで、ファインダーをのぞいて撮影することが可能になる」というわけだ。E−P1を買って、わずか4ヶ月しか経っていないではないか・・・ああ、残念というか、無念というか、メーカーのオリンパスに「おいおい、それはないだろう」と言いたくなる・・・。

 最後になるが、近々、広角ズームレンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6」が発売されるようだ。これは、今の標準望遠レンズと同様の沈胴式のため、実際の撮影時には伸びるものの、持ち歩き時は非常にコンパクトになるという。これも、そのうち買ってみたい。となると、私が買いたいものの中で残るのはマクロ・レンズだけであるが、開発スケジュールを見ると、2011年春までに市場に投入する予定だということらしい。もっとも、パナソニックのライカ・レンズを買うという選択肢もあるようだ。



関係記事 目次
オリンパスペンE−P1
一眼レフのお勉強シリーズ
(1)ホワイト・バランス
(2)アート・フィルター
(3)露出補正とピント
(4)連写機能とピント
(5)被写界深度とF値
(6)交換レンズの知識
(7)実践編〜不忍池にて
一眼レフの実践編シリーズ
(1)不忍池の蓮を撮影
(2)奈良の夜景を撮影
(3)一眼レフの勉強と実践
(4)花のボケ味を撮影
(5)浅草サンバを撮影
(6)谷根千の花を撮影



(平成21年12月14日著)
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