悠々人生のエッセイ








1.最高性能のパソコンを購入したのに

 つい先月、富士通のFMVパソコンのハードディスクの換装が首尾よく終わり、引き続きこのFMVパソコンをこれから末長く使って行こうと思っていたところである。しかし、それから数日も経たないうちに、有楽町のビックカメラの店頭で最近のWindows 7のパソコンを見た。いったんこういう最新のものを見てしまうと、もういけない。生来の新しもの好きの血が騒いで、よせばいいのに手に入れたくなってしまうのである。だから、そんなところに行かないことが一番の対策で、事実そうしていたのだが、この日は別件でたまたま行ったということもあり、もう遅かった。あれこれ見て回っているうちに、中でもSONYのパソコンVAIO(製品型名:VPCJ11AFJ)がたいそう気に入った。デスクトップとノートパソコンの中間のような形をしていて、液晶画面の大きさも21インチと手頃だし、いくらでもカスタマイズしてスペックを上げられるという。そういえば、撮りためたビデオ編集がしたいと常々思っていたし、1年前から売り出されたWindows 7の性能もそろそろ安定してきた頃であるから、この際思い切って、最高スペックのパソコンを使うのも悪くはないなと考えた。

 それでVAIOについて詳しそうな店員さんと相談し、あれこれ検討して、おおよその見積書を作ってもらった。CPUはIntelのCoreで、i7-2.67GHz、メモリーは8GB、ハードディスクは1テラバイトと、これがこの型の最高レベルとなる。これにグラフィック・ボードも付けておけば、どんなビデオの編集でも、ハードの力不足にはならないはずだ。OSは、もちろんWindows 7 のHome Premium(64ビット)である。これに、アドビを入れて、Microsoft Office2010とATOKを入れてと・・・更に加えて3年間使えるNorton Internet Securityも付け、無線のキーボードとマウスを添えると、・・・〆て23万円近くになる。ううむ・・・少し高いなとは思いつつ、そういえば自分は、3年おきにこれくらいの値段のパソコンを買ってきたのだったなと過去を振り返り、こういう馬鹿な癖は死ななければ直らないと自覚しながら・・・ではまた今回もそうするかと思って、買い替えることにした。買い替えといっても、今の富士通のFMVパソコンは、家内がそのまま使ってくれることになったので、決して無駄にはならないのというのが、ひとつの言い訳である。

 さて、注文してからしばらくして、商品は、2010年9月17日に配送された。梱包を解いて机の上に置き、まず電源ケーブルと光ケーブルを接続した。新しい電気製品を買ったときには、まさにこの瞬間が一番楽しいものである。梱包中に単3電池が2つあったので、無線接続のマウスとキーボード用だと思って、それぞれに、ひとつずつ入れた。最近は、電池をふたつ使わないのか・・・ここでも省エネを実践していると見える・・・などと、くだらないことにも感心したりする。ワイヤレス・キーボードに至っては、こんなに軽いのかとびっくりするほどである。それ専用の黒いカバーを併せて注文しておいたが、それをかぶせると、手触りも良くなって、なかなか感触がよろしい。ますます気分は高揚する。そうして準備を整えた上で、いよいよパソコン本体のスイッチを入れた。すると、VAIOくんは静かに順調に動いてくれて、ウィンドウズの設定をし終わった。昔と違って、ウィンドウズやオフィスの開始時に、長々とした英数字のキーコードを入れる必要がなくなったので、とても楽になっている。

 それから、昔から使ってきたファイル操作ソフトの「卓駆」をインストールし、それを使って、別途バックアップしておいた400GB近い写真や各種のファイルを、VAIOのハードディスクにコピーし始めた。ところが、USBの接続がまだ2.0形式になっていないのかどうか知らないが、コピーの速度がとても遅い。中止して原因を探ろうかとすら思ったほどだったが、しばらく我慢しながら画面の様子を見ていた。そうしていると、その「遅い」という問題以外は比較的順調に動作してくれていたのであるが、困ったことに、4ギガバイト近い大きなサイズのファイルのコピーに移ってしばらくすると、卓駆が急に動かなくなってしまった。ソフトの上部のバーに「応答なし」と出て、ビクリともしない。まあ考えてみると、それもそのはずで、何しろこれはWindows XPの前のWindows Meなどという4世代も昔の古いOSの時代から使い続けてきたソフトなので、いたしかたないことである。こんな時に備えて、64ビット版のファイル操作ソフトの「豆ファイル」というものを別途ダウンロードしておいたので、それを展開してインストールした。その「豆ファイル」を使い始めたのだが、何しろ使い慣れていないことから、少し手間取ったけれども、ようやくコピーを継続することが出来た。その結果、約1時間ほどかかったものの、日常使っているソフトや写真をVAIOの中に何とか移植することが出来た。

 そうそう、インターネットを開始するのだから、何はともあれ、アンチ・ウィルス・ソフトの代表格であるNortonをインストールしないと安心して接続できないと思い、店で購入したNortonのCDディスクを入れようとした。ところが、VAIOの製造者SONYはマカフィーが好みと見えて、VAIOにはその試用版が最初からインストールしてあった。これをこのまま放っておいて、もしアンチ・ウィルス・ソフトが二重に働いたりすると、OSが混乱するかもしれないと考え、先にこちらをアンインストールした上で、Nortonをインストールした。すると、また登録をさせられたりしたが、ともかくそれは終了した。これでよしと・・・インターネットは始められる。

 その次に、iTuneをインストールしなければ、iPhoneの毎日のバックアップが作れないと思って、かねて用意してあったiTuneの実行ファイルを展開しようとした。すると、「これは32ビット版用です。あなたのOSは64ビット版なので、別途、ダウンロードしてください」という表示が出てきた。仕方がないので、インターネットのiTuneのサイトを開いて、64ビット版を入手し、それを実行した。それから、iPhoneをUSB経由で接続したのだけれど、旧パソコンならここで同期が始まるのに、少しも動かない。ヘルプを見ると「デバイスの登録をせよ」とあるので登録したが、いつものようには動いてくれない。「あれあれ、これはおかしいな」と思った。試しに、「iPhoneのバックアップ」を手動で行ったら、何とか出来たものの、たとえば「アプリ」の項目は、各アプリのアイコンの色が、薄いままである。これは、そのパソコンがメインではなくてサブの印かもしれない。だからその薄い色のアイコンをクリックしても、もちろんビクともしないのである。

 ヘルプには解決策は見当たらないし、色々と試してみたが、どうにもならない。色々な情報を総合して考えると、要するにiPhoneと一体となって同期できるのは、一台のコンピューターに限られているらしい。ならば、ここで新パソコンを妙にいじくっても、どうにもならないのかもしれない。これは結局、旧パソコンからiTuneをアンインストールするか、あるいは登録のようなものを取り消さないと解決できないのかなと思った瞬間、代替案をふと思いついた。「それなら、旧パソコンの中のiTuneのデータを、そのまま新パソコンの相当するフォルダに上書きコピーをしたらどうだろう。少し強引だが、まだ何も入れていない新パソコンだから、成功する確率は五分五分かもしれない。」・・・というわけで、それを試してみたところ、自分で言うのも何だが、問題は見事に解決できた。振り返るとこれが、今回の買い換えの最大の山場であったといえる。いずれにしても、パソコンを扱っていると、こういうことが一度ならず生じ、それを解決するときに知的な快感を味わえるというのが、この趣味の良いところである。要するに、頭を柔軟に使わないと、パソコンは使えないのである。

 最近、iPhoneを持つようになったことに伴い、このiTuneのほか、いくつかのソフトを使い始めたので、それらもインストールする必要がある。それは、色々な情報を管理できる「Evernote」、クラウドを利用してファイルをどこでも参照できる「Dropbox」、それとパスワード・暗証番号を記録しておける「Callpod」である。しかし、液晶画面上にこれらのソフトのアイコンがいくつも並ぶのは私の趣味ではないので、「CLaunch」というランチャー、つまり各種ソフトのアイコンを一括登録してそこから動かせるソフトを入れることにした。これは、普段は隠れていて、画面の端をクリックすると出てくるというものだ。幸い、これには新パソコンと同じ64ビット版があったので、これも好都合である。インストールしてみて、そこに出てくるたくさんの箱のひとつに、デスクトップにあるアイコンをドラッグ&ドロップしたところ、その箱におとなしく入ってくれた。これを試す前は、ひとつひとつソフトのある場所を参照して登録しなければならないのかと気が重かったが、いざやってみるとそうではなかったから、これはうれしい機能である。これを利用して、デスク・トップ上に散らかっていた多くのアイコンをすべて、このランチャーの中に取り込んだので、画面はきれいになった。こうでなくては・・・。まるで本当の机の上のように、すっきりした。

 これで、インターネットに接続し、バックアップしておいたデータを復元し、そして基本的なソフトを全てインストールしたので、パソコンを使う準備はすべて整った。でも、これから本格的に使っていったら、何が起こるかわからない。念のため、Windowsのバックアップをしておこう。そうすると、システムが全滅しても、ここから復元することが出来る。それでまず、Windowsの復元ディスクの作成を行った。これは、DVDのディスクを一枚用意して、それにシステムを入れるだけである。次に、パックアップを行った。バックアップ先は、500ギガバイトのハードディスクだ。最初は、意外と早く動いてくれて、この調子では2時間と少しで終わるはずだったのに、1時間を過ぎたあたりで動きが遅くなり、けっきょく4時間もかかった。これは、後半はファイルが圧縮されている写真のデータが多かったからだろう。しかし、この出来事を除けば、新パソコンVAIOは、期待通りにとても早い。加えて、Windows 7自体がVistaに比較すればとても早く動くので、大いに満足している。買い換えて良かったと思った瞬間である。

 ところが、仕事も忙しくなったので、あまり自分のパソコンにさわる時間もなかったことから、購入日からここに至るまでに、ほぼ2週間近くもかかってしまった。せっかちな私にしては、あり得ないほどのスローペースとなったというわけである。しかし、実はもうひとつの要因があるのではないかと思っている。それは、使い始めて3ヶ月近いiPhone 4Gの存在である。こちらもまた、新しいアプリをインストールするたびに、その使い方に習熟しなければならないし、またそうしていると何かしら問題が起こる。それにひとつひとつ対応していくから、その過程でけっこう理系の頭を使う。各アプリにはそれぞれの特徴と限界があるものだから、それこそ頭を「痺れる」ほど使う。そういうことで、新パソコンVAIOにまで気が回らなかったのである。加えて、このiPhone 4G自体がパソコンそのものといっても過言ではないので、これですべてのメール、カレンダー、メモなどを扱うことが出来る。だからその分、自宅でパソコンの出番が少なくなったことは、否めない。しかしながらその反面、大容量ビデオの編集、大量にある写真の検索と調整など、パソコンにしか出来ない作業もある。だから、これからは、パソコンの性能面の制約で従来はなかなか出来なかった映像面の表現に力を入れて、せいぜい活用していこうと思っている。


2.早速壊れてしまった!

 上記1.の文章を書き終わったその直後まで、VAIOは順調に動いてくれていて、何の問題もなかった。ところが、災難はいつ何時降ってくるものかわからないものである。その文章を書き終わってからわずか1時間後の午後11時過ぎ頃に、「VAIO UPDATE」からの表示が出て、「PBM(VAIOの附属の写真ソフト)について、アップデートがあります」という。そこで、そのインストラクションに従って、所定通りアップデートを行った。そのPBM関連のアップデートは続けて4本もあり、そのうち後の2本は、インストールするたびに再起動せよという面倒なものであった。仕方がないので、そのたびに再起動を行った。ちなみに、自宅では通信環境に公称最大100メガバイトの速度が出せるという光ファイバーを使っていて、実測でも55メガバイトという高速が出ている。そのようなこともあって、普通のアップデートは、極めて短時間であっという間に終わる。ところがこのPBM関連のアップデートに限っては、意外と時間がかかったので、何か妙な胸騒ぎがしたのである。

 そして案の定というか、やはりというか、その最後の再起動の直後に、Windows 7が立ち上がったものの、動作がとても遅くなっていた。たとえば日本語入力すら、なかなか変換してくれないという有り様である。どうなっているのだろうと思ってCPUメーターのソフトを使って動作状況を見ると、CPU稼働率はわずかに1〜3%程度で、ほとんど使われていない(メモリは20%程度を使用)。それにもかかわらず、どのソフトの動きも非常に遅いか、あるいは「応答なし」の状態のものばかりであった。それをいちいち消しながら、試験的にいくつかのソフトを立ち上げてみたところ、ほとんどすべてに「システム・ビジー」の状態という表示が出ていたので、何か大きな異変が進行していると感じた。

 たまたま、この問題が出る直前の午後10時頃に、(前日に無線LANに接続できる設定を始めて行ったのであるが、その日はそれを)元の有線光ファイバーLAN接続に戻そうとしたところ、「有効な接続がない」という表示が出たので、新たに有線の光ファイバー接続を設定して再起動をした。ところがいったんシャットダウンをして新たに立ち上がるとき、「Ctrl+Alt+Delを押してください」という妙な表示が出てきて、その通りにすると、普通に立ち上がった。しかし、毎回こんなことを表示されるのでは面倒だと思った。そういう問題もあったので、この際、PBMのアップデートに伴うこの動作不良の問題とともに、それも併せて一挙に解決しようと考えた。そこで、復元時点を直近の10月4日にして、コントロール・パネルから正式なシステムの復元を行った。そうすると、Windows 7はちゃんと立ち上がった。しかし、まだ各種ソフトの動きが遅くてぎこちなかった。どうも先のPBMのアップデートに伴って起きた問題が解決されていないように思えた。写真の整理には、私はPicasa3を使っているので、ソニーのPBMなどというソフトは使う予定もない。だから、この際アンインストールしようかとも思ったが、念のためもう一度、再起動した。そうしたところ、「ブート・セクタが見あたらない」という表示が出た。あらら、事態はどんどん悪い方向に向かっている。

 色々と対策を考えたのであるが、これは初期状態に戻すしかないと思い、(1)電源が切れている状態で、VAIO CAREレスキューを起動した。当初は順調に動いていたのだけれど、最後の場面で「エラー13」というのが出て、失敗した。(2)そこで、リカバリ領域からリカバリしようとして、開始したところ、ブート・マネージャーというものが出てきて、変な日本語、すなわち「コンピュータにされているデバイスとのにがしました。けUSBドライブのようなリムーバブルがデバイスがにりされた・・・このメッセージがききされるは、ハードウェアのにいわせてください。0xc00000e9::しないx/oエラーがしました」というまるで出鱈目なものが表示されて、これも敢えなく失敗した。そこで最後に(3)あらかじめ用意しておいたリカバリ・ディスクを使って起動することにした。そして、外付けハードディスクをUSBポートに繋いだ。すると、「Windowsの起動に伴う問題の修復用の回復ツールを使用します。修復するオペレーティング システムを選択してください」と表示され、DディレクトリにWindows 7と出た。このハードディスクが認識されたことがわかる。それから「システム回復オプション」が動いていたが、ほとんど終わる頃になって結局、「この問題を自動的に修復できません」という表示が出て、また失敗した。もう一度、同じことを試みたが、やはり同じところで失敗したのである。

 こうなった原因をつらつらと考えてみたところ、(1)まず最初に疑うべきはウィルスの侵入であるが、そもそも立ち上げた当初からアンチ・ウィルスソフトとして定評のあるノートンのフル・バージョンを使っているので、ウィルスが侵入することは、まずないと信じてよいと思う。(2)もちろん、別に怪しいサイトを見たわけでも決してないし、変なメールを受けたこともなかったと断言できる。(3)やはり、直接の原因は、VAIO UPDATEから配布されたPBMのアップデートであることは、まず間違いがない。そういうことならと、ソニーのサポート・センターに電話することにした。自分としては、20年以上となるパソコン歴で、初めての挫折経験である。いやいや、ひょっとしてVAIOの機械的な初期不良かもしれないし、PBMのアップデートプログラムに欠陥があったのかもしれないと思いつつも、あまり気分のよいものではなかった。

 そう思って、サポート・センターに電話したところ、5分ほど待ったところで担当者が出てきた。意外と早く繋がった。そこで、今回の症状を説明した。すると誰かと相談したようで、しばらくして「では、こちらで預からしてください」ということになった。翌朝、運送業者の方が取りに来てくれたが、家内の話によれば、パソコン、キーボード、マウス、電源コネクターそれに保証書とVAIOカルテなるものをそのまま差し出すと、持ってきた梱包材料を使って上手に荷造りしてくれたので、手間が省けたそうだ。それから数日経ってVAIOが戻ってきた。

 報告書には、「ハードディスクの初期不良」とあった。「何だ、機械的不良なら、自分の腕のせいではなかったのか・・・それにしても人騒がせな・・・」と思ったのであるが、問題はハードディスクが出荷状態に戻されていたことである。もちろん、自分も最後は初期状態に戻してもやむを得ないと思っていたけれど、それにしてもこんなに早くハードディスクが壊れるとは思わなかったので、先月末から今月初旬にかけて撮った写真やビデオがこれで全滅したのは痛かった。特に、白山京華通りでの越中八尾おわら節のビデオを編集しようとしていたので、誠に残念である。


3.バックアップと再設定に四苦八苦

 やはり、何はともあれ、バックアップの大切さは身にしみた。まさか、買ったばかりですぐに壊れるとは思わなかった。そこで、今までのように週末に一回というペースではなく常時バックアップができないかと思って、ネットを調べてみた。すると、BUFFALOネットワーク対応HDD LinkStation CH2.0TLというハードディスク( LS-CHL7DB )があることがわかった。この特徴は、ネットワーク経由で繋げられることである。だから、「ネットワーク対応ハードディスク」と名付けているいうわけだ。そういえば、自宅の無線LANルーターのポートが二つばかり空いているので、そのひとつを使えばよい。私の使い方ではパソコンを室内で移動させることがよくあるので、USBコードで大きなハードディスクをいちいち繋ぐよりはこちらの方が使いよい。しかも容量が2テラバイトもあるから、将来、写真やビデオが増えても、十分に余裕がある。また、このハードディスクはパソコンの電源と連動していて、パソコンの電源が落ちればこちらも電源が切れるというから、手間がかからない。しかもアマゾンでは22,000円という合理的な値段である。これなら良いと思い、すぐに注文した。

 これまた配送の効率が素晴らしく良くて、夜中に注文したのに翌々日の早朝にはもう受け取ることが出来た。ちなみにお急ぎサービスを選択すれば、翌朝にでも受け取れたそうだが、そこまでするまでもないと思って普通の配送を頼んだのだけれど、それでもこんなに早かった。日本の配送システムは本当に効率的である。ともあれ、着いた荷物の梱包を解いて本体を確認した。その上で無線LANルーターのポートとの間を光ファイバーで結び、Navigator2.0という付属ソフトを動かすと、設定はあっけなく完了した。パソコンからは、これをディレクトリとして認識できた。驚くほど簡単なものである。

 それから、パソコン本体にまずコピーしておいた主に写真やビデオの約500メガバイト弱ものデータをこのハードディスクに転送し始めたのであるが、その表示を見てびっくりした。すべてコピーし終わるのに丸1日もかかるというのである。本当かなと思ってしばらく走らせてから計算したところ、確かにそれくらいはかかりそうな結果となった。つまり、転送速度がひどく遅いのである。どうかすると、一枚の写真を転送するのに1秒もかかる。丸1日というのは、計算間違いなどではなかった。それで仕方なく、画面の電源を落としてそのまま丸1日近く動かして、無事に全てのコピーをし終えた。いやはや、困ったものである。でも、これからはバックアップするにしてもその差分だけだから、さほど時間はかからないだろう。

 ただ、このネットワーク対応ハードディスクのせいで、大きな問題が生じた。自宅の無線LANルーターには、iPhone 4Gも繋がっているのであるが、そちらの設定と競合を起こしてしまっていることに気が付いた。つまり、IPアドレスが全く同じになってしまっているのである。2ヶ月前にiPhone 4Gをこの無線LANルーターに繋げたときに、IPアドレスの最後を2としたのであるが、これを4とか5とかにすればよかった・・・。あるいは、今回の設定のときに、iPhone 4Gを繋いでおけばよかった。たまたまiPhoneの電源を切っておいたときだった。

 試しに、パソコンの電源を落とし、そしてこのネットワーク対応ハードディスクの電源が自動的に落ちる状態としてiPhone 4Gを立ち上げると、Wi-Fiに繋がった。やはりこれは、まさしく典型的な競合状態である。まあ、もう一度Navigator2.0をアンインストールしてから再インストールしてもよいが、面倒なので、ほかの設定を全部終えてからやってみようと思っている。まあ、普通はパソコンを使いながらiPhoneのWi-Fi接続を使うという局面は考えられないから、すぐにどうこうという問題ではない。ひとつだけ問題が出ると思うのは、「i手帳」のバックアップである。これは、iPhone 4GをWi-Fiに繋げた状態でなければ出来ないので、Web経由など何か別の手段を検討しなければいけないことになった。

 その次に、システムのイメージ復元のために、このハードディスクにそのイメージをバックアップしようとしたのであるが、今度はパソコン側が認識してくれないという問題が生じた。やはり、USBコードで繋がった外付けハードディスクでなければいけないようだ。考えてみるとそれもそうで、緊急用のバックアップだから、ネット経由でなければ繋がらないようでは、いざというときの役には立たないというわけだ。それで、手持ちの500メガバイトの外付けハードディスクを繋いでみたのであるが、保存する復元用イメージを収納するには、容量があとわずか10メガバイト分だけ足らないのである。わずか10メガのことだが、何ともならない。これには困った。この2テラバイトのハードディスクを外してUSBで繋げようかとも考えたが、まあこちらはパソコンが動いている間はともに動くということなので、年月が経つと同時期にダウンする可能性がないわけではないと思い、イメージのバックアップ用にUSBコードで繋げる専用の外付けハードディスクを別途買おうと考えた。

 それでネットで調べたものが、BUFFALO HD-CL1.5TUターボUSB2.0用である。こちらは容量が1.5テラバイトと大きいし、ターボUSB2.0というから、転送速度も早そうだ。楽天市場では11,500円という値段である。これも安いと思ったので、すぐに注文した。ちなみに、楽天に注文して嫌なことは、その注文の後にショップからジャンクメールがどんどん来ることである。これが非常に煩わしい。そのメールをいちいち消すのが面倒な上に、少し前まではどうすれば配信停止ができるか非常にわかりづらかったのであるが、最近はようやく改善された。そこで注文したというわけである。こちらも配送が早くて翌々日の夜に届いた。さっそく復元用のイメージを作成したところ、それに約5時間かかった。1日よりはマシだったが、もう少し、早くならないものかと思っている。

 以上でバックアップの問題はとりあえず解決できたので、このVAIOを買ったばかりのときのように、必要なソフトをインストールしたり設定したりする作業に入った。まず最初はセキュリティ・ソフトの「Norton」である。ところが困ったことに、私が故障前のVAIOにインストールしたのは、1台限り3年間有効のNortonで、そのままでは使えない。さりとて、また買うのは無駄そのものである。パッケージを見たら60日以内なら返金してくれるというので、そのサポート(03-5642-2682)に電話した。すると、数年前に電話したときには何十分かけ続けても全然出てこなかったのに、今度はすぐに担当者が出て来たからまずそれにびっくりした。事情を話すと、それではプロダクトキーをいってくれというので「ブリティッシュのB、カナダのC、数字の2・・・」などと説明したらそれをコンピューターに打ち込んだようだ。幸い、前回これをアクティブな状態にしたときに、私がユーザー登録していたので、その記録が画面上に出てきたらしくて、それを見ながらその1回限りの制限を解除してくれた。こんなことは、ほんの数年前には全くの門前払いだっただけに、この対応には、大いに満足した。

 次に、「iTune」をインストールした。すると妙なことに、つい先日は首尾良くいった「iTune」の設定が、今度はうまくいかないのである。あの、旧iTuneの設定とデータをそのまま新パソコン中の該当するフォルダに上書きしてしまうという強引なやり方である。これが使えないと、iPhone 4Gのバックアップが出来ないし、音楽も入れられないので、大きな問題となる。「あれあれこれはおかしいな、つい1週間前には成功したのに・・・と思いながらと色々と考えた結果、「これはもしかすると、このわずか1週間あまりの間に、iTuneのバージョンが変わったのではなかろうか」と思いついた。調べてみるとやはりその推測は当たっていて、旧パソコンのiTuneと新パソコンのiTuneとではバージョンが違っていた。「ああ、これだ、これだ」と思い、旧パソコンのiTuneのバージョンアップを行った上でそのデータ一切を新パソコンに上書きコピーをしたら、正常に動いてくれた。これで、日曜日の2時間ほどを費やしたのだが、まあ、頭の体操となったとでも思っておこう。

 「Callpod」というソフトも、「activationの数の限度を超えています」と表示されたので、アメリカにメールを送って、リセットをお願いする羽目になった。同様に、法科大学院の講義のために、TKCというシステムを利用しているが、こちらも入れなくなって、リセットが必要となった。やはり、担当にその旨をお願いするメールを送ってリセットを求めた。「Outlook」は最近あまり使わなくなったが、過去のメールを見るためにその設定を行った。しかし、あまり気が乗らずに行ったために、ホットメールと自分のプロバイダーのメールとが一緒のフォルダーに入ってしまった。ああ、これは失敗かと思ったが、各フォルダ名が共通しているために、同種のメールが同じフォルダに振り分けられて、かえって見やすくなったのは、怪我の功名というものである。後は、「CLaunch」を設定すれば、作業は終了である。やれやれ、買ったばかりのパソコンのハードディスクの初期不良がからんでいたとはいえ、新パソコンを順調に動かすまでに、約1ヶ月もかかってしまった。この間、私のホームページ「悠々人生」の更新どころではなかったので、読者には申し訳なかった。

 ところで、やや技術的なことながら後々のためにここに記録しておきたいことがある。それは、休止状態のことである。つまりこのVAIOには、終了オプションに[休止状態]の項目がなかったので、私は非常に不便を感じていた。つまり、一日の終わりにパソコンを消そうとするたびにシャットダウンして、翌日はまた一から立ち上げるということをしなければならなくなったからである。スリープにすればよいではないかと言われるかもしれないが、私の場合は毎回、電源を完全に落としたいので、それは出来ない。その対策は、要は、「ハイブリッドスリープ」の設定を無効(オフ)にすればよいというのである。その手順は、 [コントロールパネル] ハードウェアとサウンド → 電源オプション → [プラン設定の変更] → [詳細な電源設定の変更] → [スリープ]をダブルクリック → [ハイブリッド スリープを許可する]をダブルクリック → 7.[オフ]を選択し、[OK]ボタンをクリックすればよい。これで再起動することなく、シャットダウンのメニューに「休止状態」の選択肢が現れた。

 やれやれ、これでフラストレーションを感ずることなく、ようやくVAIOを心ゆくまで使えそうである。とりわけ、写真やビデオの編集が楽しみだ。ああそれから、ひとつだけ気が付いたことがある。前のノートパソコンと比べて、画面が圧倒的に大きくなったこともあるのかもしれないが、画面から受ける光量が増したと感ずるのである。私は寝る直前まで、パソコンを使う習慣なのであるが、気のせいかこのVAIOにしてから、あまり寝付きが良くなくなったと思うのである。確か、夜中にあまりに強い光を浴び続けると、睡眠によくないと聞いたことがある。そこで、コントロール・パネルを開いて画面の明るさをそれまでの90%程度から55%へと落とした。その直後は明らかに画面が暗くなった気がしたが、すぐに慣れて、今では別に暗いとは思わなくなった。それ以来、以前のように寝付きが良くなった気がしている。単なる気のせいかもしれないが、このまましばらく、様子を見ようと思っている。


【備 考】 新パソコンの仕様

カテゴリー : VAIO
製品型名 : VPCJ11AFJ
購入年月日 : 2010年9月17日
システム情報 : Intel(R) Core(TM) i7 CPU. M 629 @ 2.67GHz
クロック周波数 : 2.67GHz
システムメモリー: 8GBytes
製 造 者 : Sony Corporation
モデル名 : VPCJ11AFJ
サービスタグ : J004BK3Y
シリアル番号 : 27510716-1103800
BIOS version : R0220W7
OS version : Microsoft Windows 7 Home Premium
ME version : 6.0.31.1208




(1は平成22年7月10日著、2と3は10月19日追加)
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