悠々人生のエッセイ








富士山と相模湖イルミリオン( 写 真 )は、こちらから。


 昨年末、たまたま富士山近くの忍野八海、富士急ハイランド、相模湖イルミリオンを訪ねるバスツアーがあって、それに乗ってきた。今回は寒空の夜にイルミネーションを見たりするから、初孫ちゃんは連れて行かなかった。新宿を出発して中央自動車道を行くと、八王子の辺りから雪を被った富士山の美しい姿が見える。しかも、空は真っ青で、快晴である。これは良い写真が撮れると思って嬉しくなる。

 忍野八海という場所は、私には全く知識がないので、忍野村観光情報から引用させていただく。「天然記念物である『忍野八海』は、富士山の伏流水に水源を発する湧水池です。富士信仰の古跡霊場や富士道者の禊ぎの場の歴史や伝説、 富士山域を背景とした風致の優れた水景を保有する「忍野八海」は、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定されました。『百聞は一見に如かず』その厳かで神秘的な湧水池に訪ねてみてください」とのこと。

 バスは、中央自動車道の大月ジャンクションから富士吉田線に入る。沿線には既に雪が積もっている。外はかなり寒そうだ。バスは河口湖インターで降りて、忍野村へと向かう。道路の両側は、もう20〜30センチの積雪がある。駐車場に着き、バスから降りたが、息を吐いたら白い水蒸気が立ち上り、思わず笑えてくる。ザクザクという音を立てて雪を踏みしめて忍野八海に向かう。道路の雪が溶けてまた冷えて固まったアイスバーン状態だから、油断していると滑って転びそうになるので、注意して歩く。こういうとき、雪国出身者は手袋をした両手を出してガニ股風に歩く。転んだ時に、頭や顔を打たないようにするためである。ところがそういうことを知らない都会出身者は、ポケットに手を突っ込んで颯爽と歩こうとするから、見ていて危なっかしい。でも幸い、何も起こらなかった。皆で淡々と雪道を歩いていき、忍野八海に着いた。


忍野八海


忍野八海


忍野八海


 最初に「湧池」という文字通りこんこんと水が湧いている池があった。水の透明度は高く、緑色が美しい水草が生い茂り、その中をヤマメらしき魚が泳いでいる。しゅっちゅう、水に波紋が見えるのは、湧水がそれだけ豊富なのだろう。しばらく、池面を眺めていたが、それだけだ。富士山はどこだろうと思って見渡したら、家と家の間に見えた。そちらの方に行くと、ここだけは「資料館」と称して入場料を取られるらしい。ならば、眺めは良さそうだと思って入ってみたら、まあまあの眺望だ。手前の池越しに、水車小屋と農家があり、その上に富士山が聳えるというもの。何枚かの写真を撮った。ただ、撮った時間がお昼の12時半を回っていたので、やや逆光気味だったのが残念である。

忍野八海から見る富士山


忍野八海から見る富士山


ホテルのバイキング


 次に訪ねたのが、河口湖にあるホテルのバイキング。80種類の料理があるというけど、まさにその通りで、数は多い上に、いずれもなかなか美味しくて、誠に結構だ。若い頃なら大食していたことだろう。料理の盛りつけの飾りとして、富士山と浅間神社のものらしき鳥居があるのも、ご愛嬌だ。建物の一面には富士山が広がっているが、その反対側の景色をふと見ると、ジェットコースターがある。

富士急ハイランドのジェットコースター


 ああ、ここは40年ほど前に家内と来た富士急ハイランドではないか。懐かしいと思うとともに、今時のジェットコースターを見てびっくりした。出だしは、ロケットの乗員のように仰向けに座って垂直に上がっていく。それだけでも怖いのに、頂点にたどり着いてから、垂直どころか岩場のハングオーバー様のところをそのまま表面をたどるように降りて行くから、相当に怖そうだ。誰がこんなものに乗るのかと見ていたら、この寒空の中でも、キャーキャー叫ぶ声が絶えない。わざわざお金を払って、よせばよいのに怖い目に遭うなどというのは、御免だと思うのは、年をとった証左かもしれない。それとも、人間が知らず知らずのうちに進歩しているからか・・・。たとえば、私が若い頃、オリンピックの100メートル競走で10秒なんて、切れるはずがないと言われていた。それが現在では、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が9秒58の記録を打ち立てている(2009年8月16日)。こういうジェットコースターへの人間の耐性というのも、何かしら進歩しているのかもしれない。

相模湖イルミリオン


相模湖イルミリオン


相模湖イルミリオン


相模湖イルミリオン


 それから、お定まりの酒蔵における試飲を経て、相模湖イルミリオンに着いた。これも、運営会社のHPによると、「遊園地をはじめ、キャンプやバーベキュー場、日帰り温浴施設が揃う複合アウトドアリゾート『さがみ湖リゾート』にて開催される関東最大級のイルミネーションイベントです。園内の起伏や斜面を活かしたダイナミックかつテーマ性に富んだイルミネーションは、夜の森の中で圧倒的なスケール感で光り輝き、都心では味わえない幻想的な世界が広がります。5周年を迎える今年は演出方法を一新、音楽に合わせて全体が様々な色に変化する日本初全周フルカラーの演出を楽しめる光の宮殿『ブリリアントパレス』を中心に、エリアごとに異なる色の変化や動きのある演出を施しています。さらに今年は新しい試みとしてプロジェクションマッピングによる特別な演出なども行います」との由。

相模湖イルミリオン


相模湖イルミリオン


相模湖イルミリオン


 というわけで、起伏のある丘一帯に広がる電飾の海を見て、それをカメラに収めていった。せっかく、イルミネーションを撮る機会だというので、最近購入したばかりのKenkoのクロスフィルターを試しに使ってみた。これは、キラキラ光る水面や伝統の光を幻想的に演出するのに使われるフィルターで、十字形(クロス)に光が分散する。ところが、強い光に引きずられて、そればかりが十字形に強調され、ほかの弱い光はそうでもないので、なかなか使い方が難しいと思った。それでも、クリスマスツリーのような画面に光の相互間の強弱があまりないときには、かなり美しい写真になる。ところで、このイルミネーションを見終わったあと、すっかり冷え込んだ体を温めるのにちょうど良い温泉施設「うるり」というものがあった。露天風呂も付いており、体が温まり、心の芯までリラックスできた。




(平成25年12月29日著)
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