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目 次 |
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| 1 | 潜水艦見学は4回目 | ||
| 2 | ドイツ潜水艦U−1 | ||
| 3 | ドイツ潜水艦U−505 | ||
| 4 | 日本潜水艦あきしお | ||
| 5 | 日本潜水艦ずいりゅう | ||
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1.潜水艦見学は4回目 実は私は、これまで3回、潜水艦の中を見させていただいたことがある。それと4回目の今回を合わせると、次のようになる。 第1回 見学1986年 型式U−1 第1次世界大戦前の潜水艦第1号 大きさ42.2mX3.8m 最大速度水上10ノット(水中5ノット)、航続距離278km 乗員12名。ミュンヘンのドイツ博物館にて。 第2回 見学1981年 型式U−505 第2次世界大戦時の大型潜水艦 大きさ76.8mX6.9m 最大速度水上19ノット(水中7ノット)、航続距離47,450km 乗員48名から56名。シカゴ科学産業博物館にて。 第3回 見学2008年 型式ゆうしお 海上自衛隊潜水艦あきしお(2004年3月除籍) 大きさ76.2mX9.9m 最大速度水中20ノット 乗員75名。海上自衛隊呉資料館にて。 第4回 見学2017年 型式そうりゅう 海上自衛隊潜水艦ずいりゅう 大きさ84.0mX9.1m 最大速度水上水中20ノット 乗員70名。横須賀の第2潜水艦群司令部にて。 2.ドイツ潜水艦U−1 私は、1986年に、ドイツのミュンヘンにあるドイツ博物館の見学に行った。そこで見たのが、型式U−1、ドイツ海軍潜水艦第1号である。第1次世界大戦前の1906年に就航し、同大戦中には訓練用に用いられたという。ともかく小さくて、丸木舟に毛が生えた程度ではないかと思ったが、石油エンジンと電動モーター、魚雷発射管など、今日の潜水艦の要素をすべて備えている。
3.ドイツ潜水艦U−505 1981年にシカゴを訪れたとき、シカゴ科学産業博物館を見学した。そのときの展示の目玉が、第2次世界大戦時のドイツの大型潜水艦U−505である。これは、連合国が拿捕してドイツの暗号機エニグマを入手したことで有名になった。まるでおもちゃのようなU−1に比べれば、その圧倒的な大きさに驚いた記憶がある。
4.日本潜水艦あきしお 2008年に広島県呉市の大和ミュージアムを見学に行ったことがある。すると、道路を隔ててその反対側に、大きな潜水艦が鎮座しているから驚いた。これは、海上自衛隊呉資料館(愛称:てつのくじら館)に置かれている本物の潜水艦あきしおで、現役として18年間活躍し、2004年3月に除籍になったものである。同資料館3階から艦内に入ることができて、発令所、艦長室、士官室を見学することができる。発令所では、潜望鏡を上げ下げする体験ができた。なお、外に展示して誰でも見られるので、機密性の高いスクリューだけは、本物を取り外してイミテーションのものに付け替えたという。
5.日本潜水艦ずいりゅう
「はるしお型」7隻。1990年11月から就役。「水中行動能力、索敵及び攻撃能力が向上し、静粛性も相当進歩した。7番艦はスノーケルが自動化され試験的にスターリング・エンジンを搭載した」。 ちなみに、スターリング・エンジンとは、シリンダー内のガスを加熱・冷却しで回転力を得る形の熱機関である。静粛で熱効率が高いので、潜水艦に搭載してそのバッテリーに充電する用途には最適とされている。しかし、最新型でも11mと大きいので、その分、潜水艦の居住部分が小さくなる。加えて、液体酸素タンクを備えているので、万が一それが漏れ出しすと大爆発を起こしかねないという問題がある。 「おやしお型」11隻。1998年3月から就役。「船型がこれまでの涙滴型から葉巻型になった。新たにソーナー・アレイが装備され索敵能力が向上した。船体やセイルはステルス性を考慮した形状となり、吸音タイルが装着され極めて高い隠密性が達成された。」
ちなみに、AIPとは、「非大気依存推進(Air-Independent Propulsion)」の略で、原子力推進の潜水艦を持たない国において、潜水艦に搭載して電池を充電するエンジンとして、閉サイクル・ディーゼルエンジン、スターリング・エンジン、燃料電池などのシステムを総称するものである。
さて、ずいりゅうのハッチから艦内に入るのだけど、最初から大変だ。6mほど垂直に垂れ下がっている梯子を下って行くのである。床に着いて、我々のグループはまず発射管室を見学した。その区画に行くには、丸い狭い穴でつながっている。両足を先に入れ、身体を斜めにしてようやく通り抜ける。 すると、左右に2本、真鍮色の魚雷があった。触ると、ひやりとして冷たい。その前方には発射管があって、いざという時にはその蓋を開けて油圧で魚雷を入れ、管内を海水で満たして発射するという。この89式魚雷は重さが1.76トンで全長6m、エンジンで走行し、有線誘導方式だという。魚雷といえば旧海軍の酸素魚雷が有名であるが、89式も日本製だ。潜水艦によっては、米国製のMk魚雷もあるという。 私は、魚雷というものは、てっきり船の横腹に穴を開けて沈めるものだと思っていた。ところが、それは先の大戦の頃の話で、最近は目標の船の真下で爆発させて持ち上げ、そこに真空を作り出して落とすことによって、船のキール(竜骨)を折って構造を破壊するものだそうだ。このほかの装備として、米国製のハープーン・ミサイルも備えている。 次に発令所に入ると、狭いところにたくさんのスクリーンが並んでいる。船の操縦、ソナー、通信、戦術などに分かれている。中央に艦長席がドーンとあるのかと思っていたが、そんなものはない。何のことはない、発令所の片隅で、パイプ椅子に座っているらしい。しかも、普段はその椅子が片付けられているというから、いかにも日本の船らしい。どうにも可笑しくて、思わず笑いたくなる。 船の操縦が、2つのジョイ・スティックで行われている。それがまるでゲーム機のようで、場にそぐわないと思って、これも何となく妙な気がする。でも、現代の戦闘は、まるでコンピューターゲームのような仕組みで戦われるものなのかもしれない。 潜望鏡は、昔の潜水艦は上げ下げして光学的に外を眺めていたものだが、現代の潜水艦は、そういう光学的なものではなく、船体殻を貫通させない潜望鏡だという。つまり、外の風景をカメラに撮って、それをデジタル映像として発令所のスクリーンに映し出すのである。これもジョイ・スティックであるから、視野をぐるぐる回せて、とても早い。良く見ると、画面の真ん中に縦に不思議な線が入っている。「これは何ですか」と聞いたら、「海鳥の糞が付いたのではないですか」という。「潜航すれば自然に落ちるが、今は停泊中なので、皆が帰ってから、潜望鏡を下げて洗い流します」とのこと。やれやれ、飛行機へのバード・ストライクのようなもので、それほど深刻ではないが、それでも大変だ。 科員食堂に入る。狭い狭い区画で、座るのが精一杯だし、テーブルがとても狭い。バナナがぶら下がっていたり、グレープフルーツが箱に一杯だったりして、どこか生活臭を感じる。6時間勤務で、1日4回、食事をするようだ。それでいて、乗組員の皆さんは、あまり太っていない。 ところが、長い航海だと、本来は24時間であるべき身体のリズムが、18時間になってしまうという。潜水艦の乗組員は、何ヶ月も太陽を見られず、シャワーも浴びられないし、単調な生活が続くし、時には空調システムを止めるから艦内が暑くなり、どうにもならないらしい。 とりわけ、音を出してはいけないので、器械を使う筋トレは厳禁となっているから、腕立て伏せ、読書、DVDの視聴、仲間内でのゲームというのが、唯一の楽しみだという。こうした勤務の過酷さからして、潜水艦乗組員の食事や報酬は、パイロット並みとまではいえないものの、それなりに優遇されているそうだ。 艦体の梯子をよじ登り、やっと艦外に出てきた。船体を改めて眺めると、側面にソナーが並んでいる。なるほど、これまでは前面と曳行式のソナーだけだったところへ、両側面に、しかも並んで付けたことにより、能力が大きく向上したとのこと。一緒に行った友人と、1枚、パチリと記念写真を撮った。 潜水艦の乗組員の皆さんは、こういう太陽の光も届かないところで何ヶ月も、家族と離れて音を出さない緊張した生活を過ごしている。本当にご苦労様という気がする。なお、AIPは、スターリング・エンジンから燃料電池に移行する研究が進められているというし、肝心の電池が大容量のリチウム・イオン電池へと切り替えられる方向にあるという。潜水艦の更なるグレードアップが図られるようだ。 【参考資料】 最後に、案内をいただいたときのパンフレットの一部を掲載しておく。
(平成29年10月15日著) (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。) |

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