悠々人生エッセイ



ルンバくん



1.このたびの新居への引越しで、全室がフルフラットのフローリングになったことから、アイロボット製の「ルンバ コンボj7+(Roomba Combo j7+) 」というお掃除ロボットを購入した。そのセールストークは、「掃除機掛けと水拭き掃除が一度で完了するロボット掃除機」というもので、価格は、公式オンラインストアで、159,800円である。

 大きな包装のダンボール箱が届いた。それを開けてみると、黒くて四角いドッキング・ステーションと、丸くて黒一色のルンバj7+本体が出てきた。それに、洗浄剤や部品が入ったアクセサリーが付属している。

 例の通り、私は説明書などは見ないクセがあるので、取り出してすぐに使う。ドッキング・ステーションは、ただ単に置いて電源を繋ぐだけだ。それに「ルンバくん」と名付けたj7+を載せて、まずは充電させる。白い輪が、充電中の合図らしい。手元の三日月の部品は何かと思ったら、ルンバくんの上に乗せる拭き掃除のモップに相当するもののようだ。


2.確か、ルンバを動かすアプリがあったと思い出し、それをiPhoneとiPadにインストールした。すると、部屋のWiFiと接続するようにとの指示が出てきたので、パスワードを入力したところ、画面上で「接続完了」となった。試しにその中の「清掃する+」という緑のボタンを押すと、あああ、、「ガガガー」という音を立てて動き出した。ドッキング・ステーションから降りてきて、回転ブラシを忙しなく動かしながら、懐中電灯様の白い光を出しながら動いている。

ルンバ コンボ j7+


 そして、壁まで走って一瞬スピードを落としたかと思うと、急に動き出して壁に「ガーン」と結構な速さでぶつかり、クルっと90度方向転換して走っていった。それからは、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして忙しく動き回っている。あああ、、スツールや椅子にぶつかっているので、これを動かさないと、、、こちらのゴミ箱も邪魔だ、、、あの床の上のリュックも動かそうっと、、、という調子で、清掃環境を次第に整えていった。

ルンバ コンボ j7+


 今の家は絨毯を敷かずに全てフローリングにしているのだけれど、その代わり台所にキッチン・マットを敷いているし、部屋のあちこちに家内のための「手すり(ハンドレール)」があり、その台には鉄板が使われていて、その上はカーペットに覆われている。ルンバくんは、これらも、フローリング部分とは別に認識しているようだ。

 さて、ルンバくんの空間認識が終わったらしくて、それまでのどちらかと言えば不規則な動きから、規則的な動きに移り始めた。どうやら掃除機モードになったようだ。そしてしばらく動いていたかと思うと、ドッキング・ステーションまで戻って、静かになった、、、と思ったら、突然、ドッキング・ステーションが「ズゴーン」と大きな音を立て、それを合図に動きが止まった。「iRobot」のアプリを見ると「清掃が完了し、ダスト容器が空になりました!」となっている。つまり、ルンバくんが吸い取ったゴミを、ドッキング・ステーションが更に吸い取ったらしい。アプリ上では地図が表示され、掃除した場所が緑色にマークされている。そのうち台所のキッチン・マットと手すりのカーペットの部分には点点が付いていたので、別に認識しているようだ。

ドッキング・ステーションにいるルンバくん




3.その次の日、また動かそうと思って、ドッキング・ステーションにあるルンバくんの丸ボタンを押すと、それが白い輪に変わり、「ガガガー」という音を立てて動き出した。この日は、ルンバくんの活動の邪魔になりそうな椅子などをあらかじめ机の上にどけておいたので、動きはスムーズだった。

ルンバくんの目から見た画像


 清掃が終わったとき、アプリ上に写真が出てきた。ルンバくんの目から見た画像である。これについて、次の三つから選べという。

 ・ 一時的な障害物がここにあります
 ・ 進入禁止エリアを追加
 ・ ここに障害物はありません


 そのうち一つを選ぶと、「ルンバくんは学習中です」と出てきて、しばらくすると、その前のときはマップの端がギザギザだったものが、少しは直線的になっている。なるほど、次第に自己学習を積み重ねていっているようだ。アプリには、こんな表示が出てきた。

 いただいたレビューのおかげで、ルンバくんの動作が改善されています!  いただいたご意見は、ルンバくんが自宅のさまざまなエリアに対応する方法を学習するために役立ちます。  ルンバくんが、回避した場所を清掃するには、『追加清掃』ジョブを開始しましょう!

ルンバくんへの指示画面


ルンバくんが歩き回った地図


 何か、大袈裟だな、、、と思いつつ、地図を見ると、清掃した部分は薄い緑色で示されている。ルンバくんが障害と判断して写真で示した物は、そこにマークで示されている。障害物の写真の中には、私がソファーに座っているときにルンバくんがやって来たのて慌てて上げた足まで写っているから、笑い話だ。


4.さて、更に次の日になった。そろそろ拭き掃除をしてもらいたいと思ったので、そのためのパッドが取り付けられていることを確認したうえで、アプリを見ると、専用の洗剤と水を入れる必要があるらしい。ルンバくんから水容器を取り出し、初期セットには洗剤が小さな瓶に入っているのでその三分の一と、水を入れ、ルンバくんに戻した。邪魔にならないようにとスツールや椅子を動かし、アプリで「掃除機がけと拭き掃除」をクリックする。

 ルンバくん、「ガガガー」っと動き出した。最初は掃除機がけをしていたと思ったら、三日月状のパッドを上げ、あっという間にそれを下の見えないところに収納してそのまま走る。つまり、パッドを床に押し付けて動くことにより、拭き掃除をしている。その状態のルンバが通った後を見ると、うっすらと水拭きの痕跡はあるが、直ぐに乾いてしまって、本当にこれが拭き掃除なのか、信じがたい。しかし、手で触ってみると、しっとりしているので、本当に水拭きのようだ。私は別にペットを飼っているわけでもなし、ゴミといえば綿埃の程度なので、これで良いのかという気がする。

 掃除中、追加的に掃除して欲しいところにルンバくんを持ち上げて持っていったら、びっくりしたようで動きを止めてしまった。そして、異常次第を示すように白い輪が青い輪に変わる。そして、動作を完全に停止してしまった。これは、いけない、指示はやはりアプリ上でするべきだった。


5.これで、およその使い方を理解できたし、十分に実用的であることがわかったので、次の段階として、気になるのは消耗品の補充と、お手入れである。これについては、iRobot社のホームページを見るしかない。なお、このホームページはすごくシンプルで日本企業の凝ったホームページに慣れた身には全く物足りない限りであるが、それでもこれは各国共通のようであるから、仕方がないと諦めるほかない。

お手入れの説明


くるくる回っている「エッジクリーニング・ブラシのお手入れ」


「製品の状態」という名称で各部品の取替時期が示されている


6.その後、普通に動かしているが、変わったことといえば、台所のキッチン・マットの上で、ガガガーと音を立てて何かに引っ張られているようなことがあった。よく見ると、キッチン・マットのほつれ糸を巻き込んでいる。あわててルンバくんからそれを引っ張り出すと、また普通に動き出した。そのほつれ糸は二重で、長さは30cmもあった。

 また、拭き掃除をするときは、その度にタンクに水を補充しておく必要がある。これは、iPhoneかiPadで指示があるので、それに従っておけば良い。特に汚れていない限り、洗剤を入れなくとも、水だけで十分なのかもしれない。


7.ある時、買い物に行っている間にルンバくんに掃除機掛けと拭き掃除をしてもらおうとして、スイッチを入れて、そのまま外出した。すると、20分ほど経ったところで携帯電話に連絡が入った。

 何事かと思ってみると「ルンバくんが助けを求めています。拭き掃除のタンクに水を補充してください」ということだった。

 やれやれ、面倒な・・・確かに前回、拭き掃除が終わった時に、水タンクはそのままにして、引き続き今日の拭き掃除をさせたが、水の量が足りないくらいは、事前にセンサーで簡単にわかりそうなものだと思った。しかし、放置しておくわけにもいかない。慌てて帰宅した。そうすると、ルンバくんは何事もなかったかのように掃除に勤しんでいる。

 スイッチを押して動きを止め、水タンクを取り出してみた。なるほど、空だった。それに水を補充して、再び本体に取り付けた。再稼働させると、ウィーンと鳴って、普段通りに動き出した。この手のお掃除ロボットは、掃除機は必要ないし拭き掃除をする必要もないからその分の手間が要らないことは確かであるが、その反面、新たにロボットのお世話という別の手間がかかるというわけだ。でも、手間の量は、明らかに減っているから、それで良しとしよう。



(令和5年2月24日著)
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