悠々人生エッセイ



池之端の自宅から上野公園方向を眺める。もう、紅葉・黄葉で、冬に入った。




1.左太腿の痛みの始まり

 先週月曜日の朝、ベッドから降りて立ち上がった時、左脚太腿に違和感を感じた。寝違えたかと思って普段通りに身体を動かしていたが、特にこれと言って問題はない。まあ、そのうち治るだろうと考えて、そのままテニスに行った。テニス中には、特に痛さが増すなどということもなく、普通にプレーした。

 火曜日、水曜日と同じ感じだったが、気にしないでそのまま普段通りの生活をしていた。木曜日になったが、少しも改善しない。それどころか、左太腿から股関節にかけて痛くて仕方がなくなった。これはひょっとして、大腿骨骨頭壊死とか、変形性股関節症だったりすると一大事だと気になって、近くの整形外科をネットで探した。


2.文京区のクリニック

 グーグルで評判の良いクリニックを探したところ、文京シビックホールの近くに小石川と名のつくものがあったので、そこへ行ってみた。たまたま、自宅近くからバスに乗れば一本で行ける。バス停から左脚を引き摺りながら歩いて、クリニックに着いた。

 レントゲン写真を撮り、それを院長が診てくれたが、「脊柱管狭窄症ではない。腰椎椎間板ヘルニアでもない。背骨は綺麗です。でもほら、左の股関節を覆っている骨に、少し炎症があるでしょう。これは、変形性股関節症の軽いヤツですね。それなら、当クリニック傘下のリハビリ施設で運動すると良いですよ」などと言われ、そうかと思って納得し、廊下を渡ってその施設に行った。

 すると、30分無料だと言われて左脚をあちこち弄くり回されて、かえって患部が痛くなった。挙げ句の果て、これを60分コースでやると、14,000円だそうだ。「アホらしい。誰がやるものか、、、。だいたい、変形性股関節症なら、本格的治療が必要なのではないだろうか。こんなヤブ医者の言うことを聞いていても、治るはずがない」と思った。

 これはハズレだなあと思って、本格的病院に行かないといけないと考え、いつもの虎の門病院に電話すると、例の通り「紹介状が要る」とのこと。まあ、明日には治るかと気楽に考えて、その日は終わった。


3.激痛で歩けなくなる

 翌金曜日になった。午前中にテニスをしようと重い左脚を引き摺りながら行ったが、痛くてそれどころではなく、早々に帰ってきた。それどころか、左股関節から左膝までを通して太腿が痛くてかなわない。特に、左脚を曲げると股関節がギシギシと鳴るようで激痛が走る。階段など、上がれないし、下れない。エレベーターを探して乗り、ほうほうの体で自宅に帰ってきた。もう午後1時半になっている。今からでは大病院の診察に間に合わない。

 しかし、このままでは歩けないばかりか、椅子に座るのにも激痛が走る。これでは生活ができない。明日は土曜日だから、病院は休みだ。大病院にすら行けない。


4.やむを得ず救急車

 やむを得ない。かくなる上は、救急車で大病院に連れて行ってもらおう。そうすると、紹介状や予約などの手続をすっ飛ばせる。9月の脳梗塞の時は、救急車を呼ばなくて失敗した。だから、今回くらいは良いだろう。

 119番に電話して、マンションのロビーで待っていた。すると2〜3分で来てくれて、担架で救急車の中に運び込まれた。問題は、それからだ。私が、「かかりつけは、虎の門病院です」といって診察券を見せると「救急車を待っている人が多いので、遠くの病院は困ります。近くの病院を当たります」と言うので、仕方がない。近くの病院を探してもらった。

 すると、隊員が、「まず、日医大病院に聞きます」と言うので、私は今年9月に入院した時の診察券を見せて「これを伝えてください」と言ったが、効果なく満床という理由で呆気なく断られた。そこで隊員は、順天堂大病院→三井記念病院→永寿記念病院→同愛病院と聞いてくれたが、どこも満床という理由で受け入れてくれなかった。東京の中心部にいるのに、これでは、まるで医療難民ではないか。

 そこで、どうするのかと思ったら「5つの病院に聞いても受け入れられない場合の東京ルール」を適用するという。つまり、「当番制でともかく診察はしてあげるが、入院は別の病院になるかもしれない」という前提で、やっと東京科学大学病院に運ばれた。昔の東京医科歯科大学病院だ。これなら、私も歓迎だ。iPhoneから私の昔の診察券番号を調べて、それを隊員に伝える。無いよりはマシだったようだ。

 ほんの5年ほど前、家内が急病で救急車に乗った時、虎の門病院の診察券を示すと直ぐに受け入れられて連れて行ってもらった。それに比べて、今回は、当初示した虎の門病院に連れて行ってくれないし、あまつさえ近くの5つの病院に断られるという、散々たる結果だ。もう、この変わりようはどうだ。東京の真ん中にいて、しかもウィークデイの日中で病院が動いている時間帯というのに、まるで様変わりだ。これでは、医療難民そのものではないか、、、。

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5.昔の東京医科歯科大学病院

 東京科学大学病院に着いた。東工大との統合で名称が変わっただけで、昔の東京医科歯科大学病院そのものだ。直ぐにER室に運び込まれて、X線写真とCTを撮影される。それからしばらくして診察が始まった。医師は意外にも、「股関節の骨は綺麗だから、股関節の問題ではなさそうです。筋肉を痛めてしまったのですかねぇ。何か心当たりはありますか」と言う。

 私は、変形性股関節症やら大腿骨骨頭壊死などのややこしい病気でなくて良かったと思いつつ、「いや、考えても心当たりはありません」と答えた。医師は、「ともかく、原因を究明する必要がありますが、そのためにはMRIを撮らないといけないし、股関節の専門医は木曜日なものですから、それまで待てますか?痛み止めは出しておきます」と言う。

 ということで、ボルタレンの坐薬はその場で処置し、処方箋には錠剤を書いてくれた。しばらくしたら、坐薬が効いてきたのか、左脚は曲げなくて棒のようにしていれば、さほど痛くなくなった。ということで、帰りはびっこをひきつつ、薬局にも立ち寄って、どうにかこうにか自宅に帰りついた。


6.自分で原因究明努力

 翌土曜日には、湿布薬を取り寄せて左脚の股関節から膝にかけての患部に沿って貼ってみた。すると、股関節というよりは、膝に近くなる程熱く感じた。ということは、筋肉の問題か、、、外部から左太腿と右太腿を観察して比較すると、色は同じだから内出血の痕跡などは一切ないが、気のせいか左太腿が下に行くほどやや膨れている。

 ああ、これが原因箇所かと思うが、少なくとも外観からは明らかな異常箇所は見つからない。やはり、MRIを撮らないと分からないのだろう。左脚を動かしてみると、脚を持ち上げようとする時に激痛が走る。それを何とか凌いで右脚一本で立ち上がり、左脚を伸ばそうとすると、また激痛に見舞われ、左脚が伸びると痛みは治まる。

 「これは、どうも脚を動かす筋肉のせいらしい。痛めたことはあったのかな」と考えてふと思い付いたことがある。それは、この痛みがでた月曜日の前日の夜、お風呂に入った時に、湯船から出ようと立ち上がったときのこと、両脚が滑ってまた湯船にボチャンと落ちた。その時、変な姿勢で左脚が曲がり、かつ、右側の肋骨を打ってしまった。その肋骨が痛かったものだから、ついつい左脚のことは忘れていた。その時に左脚を痛めたのかもしれない。


7.週明けの診察

 そういうことを東京科学大学病院での週明けの月曜日の診察時に言うと、「そのせいかもしれないですね。MRIなら筋肉も写るから、撮りましょう。ただ、大学内のMRIは常に一杯なので、外部で撮ってそのCDをお持ちください」ということになった。

 翌火曜日、「これで病院は三つ目だから、これも一種の医療難民だ」と思いつつ、お茶の水にある別のクリニックに行って、MRIを撮ってもらった。この機械、ドンドン、ガンガン、ビューンビューンと相変わらずうるさい。それでも、20分ほどで終わった。結果をCDに入れてもらい、それを次回、東京科学大学病院に持っていくつもりだ。

 自宅で、そのもらったMRIの画像を見た。しかし、私のような素人が見ても、さっぱり分からないということを再認識するだけだった。


8.股関節の診察

 股関節を診てもらう日がきた。左脚を引き摺りながらやっと4階の整形外科受付に行ってMRIのCDを提出しようとしたのに、「1階の放射線外科に行って提出してから来てほしい」という。やれやれと思いつつ、ノロノロと動くエレベーターにまた乗って、左脚を引き摺りながら1階に戻り、CDを提出してから4階に戻った。

 この先生、股関節の専門医らしい。診察室に入ると、かなりお若い。MRIを見ながら、「うーん、この画像だけでは、悪いところが分からないですね」と言う。私が「股関節によくある変形性股関節症などはどうですか」と聞くと、「大丈夫ですよ。骨の間の間隔もちゃんととれてますし、悪いところはないです」と言ってくれる。

 そして、ベッドに横たわるように言われ、左下肢を立てたり、筋肉を触ったりしてくれる。「うーん、下の方が痛いのかな、、、」などとチェックする。そして結論は、「元々、身体が固いから、そこに湯船での転倒事故が起こり、左脚に普段にはない動きがあって、それで筋肉が損傷したのでしょう。ただまあ、表面的には怪我の場所が分からないから、筋肉のかなり深部で起こっているのでしょうね、しばらくは運動を控えて、患部を休ませてください」とおっしゃる。そして、ボルタレンの錠剤を処方しようとするから、「それは結構です。じっとしていれば痛くはないですから。代わりに貼り薬をください」と言って、その通りにしてもらった。

 左脚を引き摺りながらの帰り道、「これは身体が固いことによる事故だな。母譲りだから、仕方がない」と、独りごちた。次の診察は、1週間後である。それまでに、治っているなら良いのだけど、、、。テニスは、1月末までしないでおこう。


9.再度の診察とその後

 怪我から17日後の木曜日に東京科学大学病院にまた行って、左脚の診察をしてもらった。この頃には、左脚太腿を曲げると痛くて力をかけられないが、伸ばしていたら、ある程度の負荷をかけても大丈夫になった。どうやら、左脚太腿の裏側の筋肉を痛めたらしい。「まあ、治りつつありますね」といういうことで、「もし何かあったら、年明けにまた来てください」と言われて、帰途に着いた。

 それから、毎日、朝起きたらベッドの上で左脚を曲げたり伸ばしたり、曲げたまま左右に振ったりする運動を続けた。リハビリのつもりである。最初は曲げた時に大層痛く感じたが、その痛みは日に日に薄れていき、怪我から1ヶ月を経過した今日には、かなり曲げない限り、痛みを感じなくなった。でも、階段を下る時には問題ないものの、上る時に左脚を上げると、まだ痛みが走る。完全に回復するまで、もう少しだと思う。これからは、身体が固くならないように、毎日、少なくとも8000歩を歩くほか、柔軟体操をすることにしよう。テニスは、1月末まで休会にした。




(参考)AIチャットによると、「太腿には主に以下の筋肉群が存在します。それぞれ異なる機能を持っており、下肢の動きに重要な役割を果たしています。

1. **大腿四頭筋(Quadriceps femoris)**
- **構成**: 大腿直筋(Rectus femoris)、外側広筋(Vastus lateralis)、内側広筋(Vastus medialis)、中間広筋(Vastus intermedius)の4つの筋肉から構成されています。
- **機能**: 膝の伸展(まっすぐに伸ばす動き)を主に担い、歩行やランニング、ジャンプなどで重要です。

2. **ハムストリング(Hamstrings)**
- **構成**: 大腿二頭筋(Biceps femoris)、半腱様筋(Semitendinosus)、半膜様筋(Semimembranosus)の3つの筋肉からなります。
- **機能**: 膝の屈曲(曲げる動き)や股関節の伸展に関与しており、走る際の脚の後ろの動きにも重要です。


3. **内転筋群(Adductor muscles)**
- **構成**: 恥骨筋(Pectineus)、内転筋長筋(Adductor longus)、内転筋短筋(Adductor brevis)、内転筋大筋(Adductor magnus)などがあります。
- **機能**: 太腿を内側に引き寄せる(内転)動きに関与します。特に足を閉じる動作で重要です。

4. **大腰筋(Iliopsoas)**

- **構成**: 腸腰筋とも呼ばれ、腸骨筋(Iliacus)と大腰筋(Psoas major)からなります。
- **機能**: 股関節の屈曲に重要で、歩行時の脚の前方への動きに寄与します。


 これらの筋肉群は、日常生活の基本的な動作からスポーツに至るまで、さまざまな活動において非常に重要です。トレーニングを行うことで、それぞれの筋肉を強化し、全体的な下肢の引き締めや機能改善につながります」






(令和6年12月13日著、31日追加 (お願い 著作権法の観点から無断での転載や引用はご遠慮ください。)





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