This is my essay.







 土曜日の昼下がり、有楽町の交通会館からマリオンに向かって、ごみごみした道を歩いていた。これを渡るとマリオンに着くという時、道の角に古いビルが建っていて、その入り口に数人の人たちが列を作っている。こんなところで何だろうと思ってその建物の上の方に目を向けると、赤い字で「コカレストラン(可口飯店)」と書いてあった。

 「そういえば、中国では『コカコーラ』のことを『可口可楽』と書いていたなぁ、いい表現だ」と思いつつ、ちょっと気になる店の一つであった。それから数週間後、やはり土曜日のお昼に家内と食事でもしようと有楽町に出てきた。そごうが閉店する頃だった。最初は、イタリア・レストランにしようといっていたのが、再びこのコカレストランの前を通りすぎたところ、ちょうど雨模様だったせいか、列を作って待っている人がいなかった。そこで、はじめて入ってみた。

 中は、実にそっけない内装である。古いビルの壁にそのままクリーム色のペンキを塗り、壁の腰のところには赤い中華模様でその下は緑色という、何ともアンバランスな印象を与える。東南アジアの二流の中華レストランと同じようなものであるが、「現地らしく」見せているので、かえっていいのかもしれない。お客は、家族連れあり、アベックあり、友人どうしなど、実に雑多である。席に着く前に、「タイスキにするかアラカルトにするか」と聞かれる。要するに「タイ風のしゃぶしゃぶにするか、一品ものを頼むか」、それによって席が違うということらしい。

 一品ものの方を選んだが、これは飲茶である。ニラまん、肉まん、野沢菜まん、大根餅、ごまあんを頼み、それからコカ粥というものを頼んだ。飲茶の品は、いずれも予想通りの味と作りであり、いずれも非常においしかった。そして、コカ粥というのも、昔シンガポールのシャングリラホテルやマンダリンホテルで食べたChinese Porridge つまり中華粥と同じだった。一見小さな入れ物に入っているが、その量は結構なもので、そうこうしているうちに満腹になってしまった。デザートを入れて、これで二人分で3000円もしなかった。お客が列を作るわけがわかった。

(平成12年10月10日著)
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