This is my essay.




マンションから上野公園を望む
 1960年代のベトナム戦争の時代、ハノイに住んでいたホーチミン将軍は、いつも自宅から参謀本部に出かける道を変えたり、あるいはわざとカラの自動車を走らせて、アメリカ軍の目を欺いていたという。これだけを聞くと、敵の首都ハノイに潜入して、しかも最高司令官の自宅を常時見張っているスパイがいるのかと早とちりする輩がいる。それだから、日本人はノー天気で世界の軍事常識を知らないといわれるのである。

 これは、空からの監視に備えていたのである。つまり、軍事衛星で上空から常に偵察されているからである。この当時の衛星の性能では、おそらく1〜2メートルくらいの解像度であるから、自宅から出ていく車くらいは十分に監視できて、それを元に特定の作戦の時間などを推察したのであろう。ところがその性能は、1980年代のはじめには、30センチくらいにはなったといわれている。現に、当時ソ連の造船所で修理中の空母ミンスクとそれを取り囲む浮きドックの細部までわかる詳細な偵察写真が公表された。この程度のレベルまで写真の性能が工場すると、敵国内の建物への人の出入りまで、十分にチェックが可能である。

 そして21世紀になった現在のアメリカの衛星偵察能力はというと、正直なところ、私はよく知らない。しかし、とてつもなく性能が向上しているはずである。一説によると、5センチといわれているが、どうであろうか。確か、特定の目標を特に偵察したいときには、軌道上で衛星のエンジンをふかして高度を下げ、そして偵察するというテクニックがあるらしい。衛星が何個もあれば、そのうちの一つくらい失っても仕方がないくらいの鷹揚さがなければできない運用である。その点、今度打ち上げられることになっている日本の監視衛星は、解像度が1メートルといわれ、それもたった2個である。特定の目標を常時見たいと思っても、一度通り過ぎれば1時間何分かで地球を一周してくるまで待たなければならない。それどころか、高度を下げて目標を注視することなどできようがない仕組みになっているようだ。

 しかし、いかに偵察衛星が発達し、たくさんの偵察写真が入手できたとしても、これを宝の山とするか、それとも単なる紙屑とするかは、それを運用する人と組織によって大きく異なる。すなわち、この膨大なデータを解析し、推察し、その意味を解釈することこそが大事なのである。

 最近、これを痛感する出来事があった。いや、別に軍事問題ではない。単に私の住んでいるマンションでの些細な日常の話題である。平日のある朝、私はぐっすり寝ていた。すると、建物内部のインターホンが鳴って、私は起こされてしまった。まだ7時は、私にとっては白川夜舟といったところである。私は頭がぼんやりしながら、ようやくその受話器をとった。すると、それは13階のHさんで「すぐ来て下さい」と何やらただならぬ雰囲気である。私はたまたま今年は管理組合の理事長を引き受けてしまったものだから、たまにこういう事件がある。

 やっとこさ着替えて下のエレベーター・ホールに降りていくと、そこにHさんと若いFさんがいて、興奮してしゃべっている。私の顔を見ると、「ああ、理事長、たった今まで、ここのソファに酔っぱらいが寝ていたのですよ。酒臭くてね、もう、どうしようかと思って、お巡りさんを呼びに行って、来てもらいました。その酔っぱらいは、そのお巡りさんが連れていったんですが、いったい、どこから入ってきたんですかね。困りますよね」という。私は、どこか壊れたり、汚れたりしたところはないか聞いて、どこにもないことを確認してから「あとは、私が引き受けるから、どうぞ帰ってお休みください」と引き取ってもらい、そのまま派出所に行った。派出所は、三軒となりにあるので近いのである。

 派出所で警官は、「あの酔っぱらいですか、いや、ひどく酔っていてね。私に『早く、勘定もってこい』なんて、言うんですよ。アッハッハ。この辺の一丁目に住んでいるようですが、事件性はないので、そのまんま返しました」と笑って言っている。私は、本人の身元も確認しないなんて、しょうがない警官だと内心思ったが、そんなことを言うと角が立つので、そのまま礼をいってマンションに戻った。そして、Hさんの部屋まで行き、まだ興奮さめやらぬ彼のお相手をした。

 彼が力説するに、「いったい全体どうやって入り込んだのですかね。うちの息子が午前1時半に帰ってきたときには誰もいなかったというのですから、それからこの時間までの間に、入り込んだわけですね。見たところ、最近の改修で侵入されそうな場所はすべてふさいでいるし、入り口のオートロックは別に異常はないし。ということは、誰か住人がオートロックを通って入ってきたときに、その後に付いてきて入ってきたのですかねぇ」。私は、「まあ、そういうことになるでしようね。私の方から皆さんに言っておきます」と答えておいた。いずれにせよ、これは、先頃設置したばかりの監視カメラを見れば解決できると思い、出勤してきた管理人にビデオ・テープの作成とチェックを頼んだ。

 昨年の10月に、われわれのマンションの上層階に泥棒が入り、あるお宅が被害に合ったことがきっかけで、防犯対策をしようということになり、この監視カメラを設置した。レンタル方式で3台設置したが、料金は月に2万3100円である。モニターはないが、何か事件があれば近くの湯島にある支店から石丸さんという担当者がすっ飛んできて、原テープから普通のビデオで見られるテープに作り替えてくれるのである。一本のテープがエンドレスで回っていて、一週間経つと以前の分に上書きしていくので、一週間以内の出来事ならいつでも見られるという仕組みである。

 やれやれという感じで自宅に帰り、家内に事の次第を報告して、朝食を食べた。そして出勤し、午後8時近くに自宅に戻ったところ、今度はGさんにエレベーターのところでつかまった。彼は一枚の紙をもっていて、これを貼る許可をもらいにちょうど私のところに行って家内に会ったその帰りだという。今日は朝から晩まで、いろんなことがある。


 Gさんの紙には、こう書かれていた。

 以下に記載されている事故の件で、何かお心当たりのある方、または状況をご覧になった方は、お手数ですが、○○号室のGまで、至急お知らせください。
 発生時間:平成13年3月12日(日) 午後3時ごろ
 発生場所:当マンション・オートロック前
 発生状況:中学一年生少女五人が、ドアを開けるために、オートロック前で待っている間に、一人の男性(身長165センチから170センチくらい)が、マンションから出るか、または入る際に、少女の一人にぶつかり転倒、そのはずみでもう一人(G長女)がオートロックガラス扉に頭から突っ込み、前歯一本が折れた。その男性は、「大丈夫ですか」とひとこといって、そのままマンションの外へ出て行った。3月17日に警察に被害届けを出す予定です。

 それで私は、「紙をお貼りになるのはもちろん結構ですよ」と申し上げて家に戻った。すると家内がGさんに会ったかと聞くので、「会ったよ」というと、こんなことだったらしい。家内は、Gさんが紙を持ってきたから、日付や字の欠落を指摘したあとで、「これで誰か名乗り出るのを待つよりも、監視カメラの映像を見ればいいじゃないですか」というと、Gさんは、「ああ、そうか」といって帰ったという。Gさんになぜ今頃になって紙を張り出すのかと聞いたところ、「実は今日まで出張していて知らなかった。帰って来たらそういう話だったと娘から聞いて、それでこの紙を貼ろうとしている。この警察への届出は、その男への牽制だ」などとおっしゃっていたらしい。

 たまたま事件が二つ重なったが、それがうまいことに、ちょうど一本のビデオテープに収まっている。それが私の手元に届けられた。この監視カメラを導入してからはじめてのチェックとなる。管理人が「私がやりましょう」というので、お任せした。その結果は管理人から家内に報告があったが、管理人は石丸さんと一緒にビデオを二回も見たけれども、その酔っぱらいの件については、誰もオートロックの入り口から入ってきた者はいないというのである。家内は「オートロックから入ってこなかったのなら、裏の駐輪場の入り口から入ってきたのですか」と聞いたが、管理人は言葉を濁した。そこでさらに聞いていったところ、要するに、裏口は見ていなかったのである。先入観とは困ったものだ。管理人はオートロックから入ってきたとばかり思いこんでいて、それ以上は気が回らなかったのである。これでは仕方がない、私が見ようといって、テープを自宅のビデオの器械に入れた。

 テープが動き出した。一つの画面が四分割されていて、そのうちの三つの画面に三台のカメラの画像が写っている。残る画面は黒くなっていて、そこに撮影日時が秒単位で記録されている。カラーであるから、比較的見やすいのであるが、画面は小さいし、ちらつきがあるし、端っこはよく写っていないしというわけで、非常に目が疲れる。特に酔っぱらい事件は、午前1時すぎから午前7時すぎまでの7時間を一挙に見るわけだから、これは大変である。もちろん7時間分といっても、実際には画像が細切れにされているから、すべて見るのにそれだけの時間を要するわけではない。中には早送りしてもよい場面もあるが、しかしそればかりしていて見逃すこともある。時には一時停止して、画面を解釈しなければならない。それやこれやで全部見終えるのに少なくとも2時間以上はかかった。

 最初は、画面のちらつきに加えて、この画面をどう解釈するのかそれを考え込んだりして、とても時間がかかった。わずか三つの画面であるから、一見それは簡単なように思える。しかし、たとえばこれが映画であれば、カメラが登場人物を追いかけていくのでその行動はよくわかる。ところがこの画面は、三つの画像がバラバラであり、これを頭の中で合成してそれを解析する必要がある。これを見始める前までは、そんなことなど思いもつかなかった。

 外から入ってきた人は、一瞬の間を置いてオートロックを解除し、それからカメラに写らない部屋を通ってエレベーター・ホールへと入り、そこからエレベーターで上にあがっていくというのが基本パターンである。ところが、それは画面上では一瞬のことであり、ちらつく画面をよく見ていないと、ネズミが横切ったという感じにしか見えない。一時停止してコマ送りをゆっくりさせて、やっとわかる程度である。それに、いろいろなバリエーションがある。最初は、裏のドアを開けて入ってきた人物のことを階段を降りてきた人のように見えて、「なぜ階段を降りてきてから、わざわざエレベーターで上にあがっていくのだろう」などと考え込んでしまった。コマ送りをゆっくりさせて、やっとそういうことがわかった。中には、裏のドアを開けて入ってきて(その瞬間、一瞬画面が明るくなるので、ドアが開いたと判断すればよいことに気づいた)、それからエレベーターで上にあがらずにオートロックからいったん外へ出て、それで新聞をとってきて中に再び入ってくる人もいる。こういう人物は、気を付けて見ていないと、まるで別の人物が裏と表から別々に入って来たようにも見えるのである。

 私は「なるほど、この程度のビデオでも、犯罪捜査並みに、結構、頭を使うものだ」と感心したのである。これでは、漫然と見流していると、人が入ってきたかどうかすら、わからないではないか。軍事衛星の専門家は、おそらくこういうビデオや写真を毎日見ていて、その中から意味のある事柄を抽出し、それを分析して、情報を造り上げているのであろう。まったくご苦労なことだ。映画でも、銀行内部を写している監視カメラをガードマンがよく注意せずに見落とすことがあり、その一瞬の隙を利用して泥棒が入るというシーンがあるが、それは十分ありうることだと思った。

 さて、われわれの監視カメラの第一の画面に写るのは、玄関とオートロックの前である。第二は、エレベーター・ホールであり、第一の画面との間にソファの置いてある部屋が存在する。そこに酔っぱらいが寝ていた。第三は、駐輪場に通じる裏口である。要するに、玄関から入ってくる人も裏口から入ってくる人も、いずれもエレベーター・ホールを通って上がっていくので、第一と第二、第三と第二を頭の中で繋げて同時に監視しなければならない。これが全くもって面倒で、目が疲れる。しかも、画面の端の方かゆがんだり切れていたりするので、それを解釈するのも、なかなかに困難である。おまけに、細切れの画面なので、人物がひょこひょこ動いて、しかも早い。うっかりすると見逃してしまう。やれやれ、これはとんでもなく大変なことになってしまった。

 さて、第一の画面をにらんでいると、ちょうど午前4時半に、誰かが入ってきた。新聞の束を抱えているので、新聞配達である。郵便ポストのところで配り終えたかと思うと、すぐに出ていった。10分たって、別の新聞配達が来た。ところが、この人は配り終えて、そのまま画面から消えてしまった。「いったいこれは、どういうことだ。消えるなんてありえない」と思ったが、家内は「郵便受けの先にあるドアから出ていったのかしら」という。なるほど、この新聞配達は、私よりこのマンションの構造をよく知っている。

 次に、中年女性の二人組が玄関から入ってきた。何をするかと見ていたら、郵便ポストの前で一生懸命にチラシを配っている。こういう連中が、つまらないチラシを配っていたのかと判明した。しかし、こんな時間に来るのでは、注意もできやしない。全くうまい時間を選んだものである。それからしばらくの間、誰も入って来ない、こちらも飽きてきて、早送りをしようとしたところ、チラリと人影が玄関に見えた。午前6時11分である。黒い鞄を持っている人物で、オートロックを開けて入ってきた。しかし、妙なことにエレベーター・ホールの画面に来ないのである。ということは、この男が中のソファーで寝ていた人物に違いない。顔を見たが、私も家内も見覚えがない。オートロックを開けたということはどうやら居住者のようである。このマンションの区分所有者はほとんど顔見知りであるが、中には若干の貸部屋もあるので、そうなると住人は次々に代わっていってしまうから、よくわからない。

 そのまま、午前7時になった。誰も出ていった者はいない。エレベーターから人が降りてきて、上下灰色のスウェットを着ている。いたいた、Hさんである。歩いている。すると、酔っぱらいを発見して、うろうろしはじめた。顔を左右に振ってきょろきょろし、落ち着かない。後ずさりして、腰を落として中を覗き込んでいる。こわごわといったところである。これは、可笑しい。しかし本人はせっぱ詰まった様子でついに決心したらしく、外へ出ていった。お巡りさんを呼びに行ったときだ。すぐに警官を連れてくる。警官が酔っぱらいの相手をしている間、私をインターホンで呼んだ。「ああ。これか。私の早起きの原因は」とちょっとHさんを恨めしく思う。次の瞬間、警官は、酔っぱらいを連れて玄関から去った。酔っぱらいは、手に鞄を持っている。そうこうしているうちに。私がエレベーター・ホールに降りてきて、Hさんと立ち話をしてすぐに玄関から出ていく。Hさんは私にまかせたとばかりに、エレベーターで上がっていた。私は派出所に行ったのだ。「ああ、これだ」と思った瞬間、目を疑う光景が第一の画面に写った。これはどうだ、私が出ていった直後に、その酔っぱらいがまた戻ってきたではないか。

 酔っぱらいは左右にやや揺れながら、玄関からオートロックのところへ行く。それから、自分で鍵を開けたのか、それとも部屋の住人を呼び出したのかは、どうも定かではない。残念ながら陰になってわからないのである。しかし、それからが愉快であった。その酔っぱらいは、すぐに回れ右をして、頭をかきかき、走るように出ていったのである。さあ、これをどう解釈するか。一つの考え方は、これは居住者であるが、マンションには帰り着いたものの、部屋にはたどり着くことができないで下のソファで寝てしまった。派出所から開放された後でようやく家に入ろうとしたところ、朝帰りを奥さんにとがめられたか、又はとがめられるのをおそれて、出ていってしまったというもので、これを恐妻家説とでも呼ぼう。

 いまひとつは、実は他のマンションの住人であるが、オートロックのところでインターホンを使って自分の部屋を呼び出したところ、たまたまそれがこのマンションの同じ番号の部屋に繋がり、その部屋の住人がうっかり鍵を解除してしまったので入ることができた。しかし二度目に帰ってきたときに、違うマンションだということに気が付いて、頭をかきかき出ていったというもので、偶発説と言おう。

 まあいずれにせよ、ろくでもないことで、こんなことに頭を使うのは馬鹿らしい限りであるが、しかし、推理小説じみていて、本当に面白いではないか。家内は、恐妻家説に肩入れし、私もそうかと思うが、偶発説も話としてはなかなか捨てがたいもの感じる。まあ、管理人が今晩そのテープを持ち帰って見てくれるはずだ。もしその男が居住者であれば、その顔を知っているはずなので、その答えが楽しみである。

 さてそうなると、次の問題は中学生の前歯を折った事件である。これは午後3時頃という時間が特定できるので、探すのは簡単である。ビデオを見ていくと、午後2時18分に中学生の女の子たちがどやどやという状態で玄関から入ってきた。そのシーンは簡単に見つかった。ところが、である。どこにも問題の男性が見当たらないのではないか。一瞬、画面の隅に誰かが写った。そこの画面を一時停止にしてよく見ると、確かに人はいたが、それは温厚な顔をした中年の女性であった。しかもこの人は、中学生とともに中に入っていき、エレベーターで上がっていった。その前にオートロックのところで、この女の子たちが騒いでいて、お互いに倒れかかってふざけている。この時に事件が起こったのであろう。残念ながら、カメラの位置からはそのぶつかった瞬間はとらえられない。

 しかし、これはどう解釈すればよいか。もう少し手がかりがないかと思っていると、その事件から10分ほど経った頃、エレベーターからその中の一人の女の子が降りてきて、下を向いてうなだれている様子である。そして、とぼとぼと歩き、オートロックから出ようとした。そこへもう一人の女の子が走って降りてきて、その子を呼び戻している。結局その出ていこうとした子は、オートロックのドアを一度は開けたものの、引き返して、再びエレベーターで上がっていったのである。

 うーーむ、ミステリーはますます深まった。まず、Gさんの書かれた紙にあった「男がいてぶつかり、ひとこと声をかけただけで外へ出ていった」というのは、ビデオを見る限り事実ではない。本人は、思わぬ怪我をしてあわてていたのだろうか、しかし、それにしても不自然である。家内は、「お父さんに、友達どうしでふざけていて怪我をしたというと叱られるから、そういう説明にしたのかもしれない」という。そして、後から「うなだれて」出てきた子は、自分のせいでその子が思わぬ重傷を負ったことがわかって、それで悪いと思って出てきたところを、友達の一人が追いかけてきて、それを連れ戻したのか・・・・。そういうシナリオかもしれない。

 翌日、私はそのビデオテープをGさんに手渡して、ただ一言「男が出ていったという画面は写っていなかった。その代わり中年のご婦人が写っていて、しかもそれは外に出ていったのではなくて、子供達と一緒に中に入ってきていますよ」とだけ言った。Gさんは、目を丸くして、二の句がつげないというような風で「ああ、そう。」とだけ答えて、それを家に持ち帰った。その日のうちに、Gさんが貼った紙は、きれいさっぱり、消えてなくなっていた。

 また、今日は家内がHさんに会った。Hさんは上機嫌で「あのビデオは、面白いね」というものだから、家内は「いやそれに、Hさんの困った様子も結構おもしろいですよ」と答えた。よくそんなことをいうものだと思ったが、幸い、Hさんは度量が広くて、「えへへっ、仕方がなかったのですよ」と言ってその場を去ったという。これで、一件、いや二件、落着した。しばらく、当マンションに、何もないことを祈ろう。


(平成13年 3月21日著)
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