ドイツでは、もっぱらミュンヘンにばかり出張し、ただひたすら仕事をした記憶がある。国際会議なのであるが、お国柄を示していておもしろい。まずアメリカは、三原則とか五原則とかを並べて、こういう理想に近づけなければならぬと言い、それから導いて自国に都合の良い結論を押し付けようとする。ヨーロッパ諸国は、この会議の前にすでに利害調整済みで、その結論をもって最も適切な回答だという。ところでわれわれ日本だが、あるときはアメリカの結論が都合がいいものの、あまりに理想主義的なところは困ってしまって、その点はヨーロッパ諸国の結論が納得できるというものである。実利を狙うと、やはりこうなってしまうのである。







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