新潟市に行き、丸一日中、仕事に次ぐ仕事という慌ただしいスケジュールをこなして、夜半にホテルへと帰った。その翌朝は佐渡ヶ島に向けて午前9時には出発しなければならない。これでは、市内を全く見ないで終わってしまう。泊まっているホテルの近くに萬代橋という有名な橋があって、その反対側に目立つガラスの建物があった。特徴的なのは、その壁面がまるで船の帆のように優雅に彎曲している点だ。ホテルの人に聞くと、これは「メディアシップ」という新潟日報の本社で、オフィス、商業施設、カルチャースクールなどが入っていて、北前船をデザインに採り入れたからあのような形なのだそうだ。その最上階の20階が展望フロアで、午前8時からオープンしているという。歩いて10分もかからないから、とりあえずそこへ行ってみようと思って寝入った。

 翌朝、午前7時に起きて朝食をとり、万代橋を渡ってその新潟日報「メディアシップ」まで歩き、ちょうど8時に着いたので、入れてもらった。そのときの展望フロアからの眺めがこれである。説明する能力はないが、眼下には水量豊かな信濃川が日本海に向けて流れている。通ってきた万代橋は、重要文化財だそうだ。港の方には、地上143メートルの高層ビル「朱鷺メッセ」が非常に目立っている。反対側に目をやると、まだ雪をいただく上越の山並みが見えたので、やっと新潟に来た気がしたものである。

 (2015年 5月22日) 




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